我々の感覚というものは、錯覚を起こすようにできている。

感覚器官から入ってきた情報を処理する脳に、
あらかじめバイアスがかかっているためである。

しかも、我々が直接知覚したものではなく、
他人の手の入った何らかの媒体によって情報を得るような場合、
我々の脳を騙すのは、いとも容易になる。

例えば、この写真。

気象庁のホームページに載せられている、
最近、衛星「ひまわり」が撮影した地球の画像である。

 

暗い地球

地球といえば、大抵の人が、あの鮮やかな青い姿を思い浮かべるのであろうが、
実は、こんなに暗い星だったのか、と最近話題になっている。

鮮明な青い地球の画像は、
加工されたものなのか、それとも太陽の位置によってそのように見えるのか、
ちょっと分からない。

しかしながら、上の画像のような「暗い地球」の姿が、
流布されてこなかったというのは事実である。

そこに何らかの印象操作がなかったと言えるだろうか。

次の写真は、NASAのホームページにあったもの。

火星を上空から撮影したものらしいが(中央の囲みは探査機キュリオシティ)、
説明がなければ、地球上のどこかの画像だと思うだろう。

 

青い火星

もし加工をしていないのだとしたら、
なんで火星が青いの??と大問題になるだろうから、
これは色を施しているものに違いない。

しかし、なぜわざわざ火星にあたかも湖があるかのような画像にするのか。

いま2つの例を挙げたけれども、
実は、宇宙関連の画像では、色を付けたり画像を加工するのは普通のこと。
(最近では、NASAが火星の空の色を加工していたのが有名)

色鮮やかな星雲や星団の姿は、実は着色済みのものだったりする場合もある。

もちろん、捏造とか悪気があってのことではないのだが、
要するに、情報には注意が必要だし、

たとえマジメな科学的な内容であっても、
100%の真実を語っているわけではないということだ。

いつか宇宙旅行が当たり前になったときに、
あまりにもダークな地球の姿に、がっかりすることがあるかもしれない。

心構えぐらいはしておこう。