仕事の合間に、なんとか無理やり時間を作った。
であれば、行くべきは、迷わずオルセー。
入口を入り、右手側から攻めたら、いきなりルドンとモローにやられた。
モローの気品漂うあの作風は、彼以外には到達できなかったな、
などとあらためて感じる。
そしてロダンの「地獄の門」。
汝等、此処に入るもの、一切の望みを棄てよ
という、あの名フレーズが頭をよぎる。
そしてこのフレーズを思うときは、なぜかいつも、あの「仏界易入、魔界難入」という、
禅の文句が、畳み掛けてくる。
それはさておき、個人的には、東京の国立西洋美術館みたいに、
屋外にあった方が雰囲気はあるかな、とも思う。
ゴーガン、ゴッホ、セザンヌ、モネ、ルノワール・・・
日本で観た作品との再会も含め、巨匠達の作品を堪能しつつも、
今回一番の収穫だったのは、ピエール・ボナール。
前述の巨匠達の陰に隠れて、日本では割と地味な存在なのだが、
大量に展示された作品を眺めて、ボナールの「凄さ」を実感できた。
扱う題材、手法の幅広さ、日本でたとえるなら北斎のような、
常に飽くことを知らぬパワーが充満している。
あとは、ジェローム。
彼のカラーリングの鮮やかさは、これだけの名作の中にあっても、負けてない。
初見の作品に出会えて、こちらも満足。
屋上でサンドイッチを食べて、仕事へ戻る。
[…] オルセーでボナールの魅力を体感できたのは、自分にとって相当の衝撃だったようで、 それ以来、ボナールを観れる機会があれば、足を運ぶようにし、 そして観るたびに、新しい発見がある。 […]