2015年6月

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「幻子論」(熊野 宗治)

  ビッグバンと相対性理論は間違っている! という本なのだけれど、 後半は宇宙ステーションの紹介とか、 読むに耐えない小説風の文体とか、 まぁ、いろいろ滅茶苦茶な本だった。 それが正しかろうが誤っていようが、 世間でそれなりに評価されているものに対して反論するときは、 相応の礼儀と理論武装をもって臨むべきであって、 まずそこができていない。 論客として失格である。 ダメ出しをし始めたらキ […]

diary 2015/06

・2015年6月30日(火) 古本屋に行ったら、前々から、「今買わなくても、今度買えばいいや」と思っていた本が、 既に売れてしまっていた。ショック! あんなマニアックな通好みの本を買う人がいるなんて・・。 ・2015年6月29日(月) 久々にESA(欧州宇宙機関)のホームページを覗いてみたら、 フィラエの記事が大量に掲載されていて、驚いた。 まだ流し読みしかしていないが、遂に長い眠りから覚めたらし […]

「為兼卿和歌抄」(京極 為兼)

勅撰和歌集といえば、一般的には、古今和歌集から新古今和歌集までの、 いわゆる「八代集」が有名だけれども、 その後にも実は、八代集に勝るとも劣らない「玉葉和歌集」「風雅和歌集」の存在があることは、 研究者や愛好家以外にはほとんど知られていない。 「玉葉」「風雅」の両和歌集の中心を占めるのは、京極派の歌人たちで、 中でも、伏見院と京極為兼の歌は、繊細・斬新で、 思わず唸らされる名歌が多い。 これらの歌 […]

色の話

「色」という漢字は象形文字で、 男女が絡みあっている様子を形にしたものだとどこかで読んだ記憶があるが、 今日はそっちの「色」ではなく、純粋なcolorの話。 そもそも色とは何か。 身近な例でいえば、郵便ポストはなぜ赤いのか。 赤い塗料が塗られているから。 ⇒正解。 ではなぜ、赤い塗料は赤いのか。 赤い物質が含まれているから。 ⇒正解。 ではなぜその赤い物質は赤いのか。 禅問答のようなやりとりも、こ […]

「日本の耳」(小倉 朗)

  そもそも大学で日本語日本文学などという、 およそ飯の種にもならないようなものを学んだのも、 日本語に対する興味と愛着があったからで、 (日本人なら当然かもしれないが・・) それは今も変わらぬどころかむしろ強まっており、 一方で、音楽に対する情熱と、 音楽とは言葉と表裏一体であるという自論があって、 浄瑠璃を習い始めたのも、 そんな音楽と言葉の関係性を追究したいという思いが理由のひとつ […]

「近代秀歌」(藤原 定家)

短い歌論であるが、定家の和歌観が端的に述べられている。 —————————————- 詞は古きを慕ひ、心は新しきを求め、 及ばぬ高き姿を願ひて、寛平以往の歌に習はば、 おのづからよろしきことも、などか侍らざらん。 ——& […]

「無名抄」(鴨 長明)

当時一流の歌人でもあった鴨長明が、和歌についてのあれこれを、 エッセイ風に書き留めたのが、この「無名抄」。 「方丈記」を読んでも分かるように、明晰かつ論理的な文章を書いた人なので、 非常に読みやすい。 そんな「無名抄」の中に、歌会について興味深いことを書いている。 歌会や歌合というと、名立たる歌人たちがズラリと並んで才を競う、 厳粛で礼節ある雰囲気を想像してしまうが、実際はどうやら違ったようだ。 […]

「彼岸過迄」(夏目 漱石)

  漱石先生を読まなくなって、もう20年以上にもなる。 そろそろ読み直しておこうと、ピックアップしたのが、 「坑夫」「彼岸過迄」「行人」「明暗」。 その第一弾である。 敬太郎を主人とする前半までは、正直あまり深みのない、 「通俗小説」ともいえる内容である。 それが、須永と松本の独白となる後半になると、 内容が急に重くなり、漱石先生お得意の、仕事・生活・恋愛・結婚といった、 明治の知識階級 […]

厳選辛口 吉乃川

厳選辛口 吉乃川

「厚」という字を見ると、「厚い本」というように、 物理的に厚いことを第一に思い浮かべてしまう。 あらためて字典で調べてみると、 「厚意」「厚顔」「厚情」「厚生」「温厚」など、 物理的ではなく、「あつみがある」という意味で使われるのがほとんどである。 「重厚」というのは、ちょっと見たところは物理的な厚さのことのようだが、 「重厚な作品」という使い方のように、実際はやはり「物理的ではない厚さ」の場合が […]

「神が愛した天才数学者たち」(吉永 良正)

  自分は子供の頃から算術というものが好きで、 それなりに自信もあった。 けれど、図形の問題になると全然ダメ。 補助線を引いたり角度を求めたり、 同じ算数とは思えないぐらい、苦手だった。 僕の入学した開成中学には、 吉田勝郎先生という、幾何学の名物先生がいらっしゃって、 非常に特殊な授業をなさっていた。 いま振り返ると、あれはユークリッドの「原論」に則した授業だったのだと思う。 中学一年 […]