小泉八雲から俵万智まで、
96名の作家・文学者の「随筆」を、
作者の生誕順に紹介している。
小説であれば、
「名場面」の部分紹介はできなくもないが、
随筆というのは、
全体としてムードというか、
雰囲気を醸成するものなので、
部分的な紹介は、
なかなか難しい。
なのでこの本でも必然的に、
「内容」よりも「表現」に、
重心をおくことになる。
なので正直、
「人生百景」というほどの、
深みはないのだが、
こんな作家いたのね、とか、
この人にこんな随筆あったのね、とか、
また読み直そうかしら、とか、
この本自体を楽しむというよりも、
参考書みたいな感じ?
自分的に、
読み直してみようかなぁ、、と思うのは、
小林秀雄かな。
十代の頃に、
『モーツァルト』を読んで、
鼻に付く感じがして以来、
なんとなく避けていたのだけれど、
いまあらためて、
彼の評論(随筆じゃないけど)を、
読んでみようと思った。
ということで、
まぁ、文学好きの人は読んでもいいけど、
特に面白くもない一冊だったかな。