中村 清次 著「シルクロード~流沙に消えた西域三十六か国」(新潮新書)
NHK特集の『シルクロード』の、
取材班団長が著者ということもあり、
番組閲覧とセットで読んだ方がいい。

番組の方は、
ロードムービー的な色合いが、
濃かったように思うが、

この本は、
シルクロードと西域諸国が、
中国の各王朝にとって、
どのような意味を持ち、

そしてそこに、
どのような歴史が繰り広げられてきたのか、
の解説に焦点をおいている。

特に序盤に書かれていた、
中国の絹織物文化と、
西域の毛織物文化という、

「2つの繊維」に着目した解説は、
なるほどと思わせてくれたし、

明朝時代における、
海のシルクロードの開拓と、
モンゴル帝国残党との闘いにより、

陸のシルクロードが、
廃れていったことの説明は、
まさに適確、

イマ風にいえば、
「わかりみが深い歴史」
といったところだろうか。