画「クワイエット・プレイス」

例によって、遠慮なくネタバレをしていきますので、
念のため。

エイリアンに襲われて、
コソコソ生活を余儀なくされた、という、
「アイ・アム・レジェンド」っぽいお話。
(あっちはエイリアンではなくゾンビですが)

ただ、この映画が斬新な点は、
エイリアンたちが、「音」にしか反応しないという点。

思えば可視光線というのは光の特定の波長域なわけで、
どこの馬の骨とも分からない宇宙生物の「目」が、
可視光線に対応しているとは限らず、

その代わりに、彼らの「耳」が音波に反応するということは、
地球上でも、イルカ類のコミュニケーション等考えれば、
納得がいく。

(ここまで書いて、音に反応する宇宙人の映画は、
他にもいくつかあったと思い出した。)

そのエイリアンから身を守るために、
主人公家族は、音を立てずに生活するわけなのだが、

そもそもヒトというのは、
音(言葉)によるコミュニケーションを武器として進化した生物なわけで、

(この映画でも見せ場となっている)赤ん坊も必ず声を出して泣くし、
要するに、音を立てられないということは、
ヒトがヒトであることを否定されている状況といってもよく、

その設定が、この映画のじんわりとしたコワさを、
引き立てる要因となっている。

ちょっと話は脱線するけれど、
恐竜が闊歩していた時代、哺乳類は夜行性であり、
情報の収集は、ひたすら「耳」に頼っていたといわれている。

けれども現代の我々は、
大部分の情報を「目」に頼っているわけで、

あまりに視覚一辺倒になりすぎるのもいけないんじゃないの?
というのが、実はこの映画のテーマ(警告)なんじゃないかと勘繰るのは、
考え過ぎだろうか。

というわけで、
ストーリー的には単純なハラハラ映画なのだけれども、
科学的な視点で、少し考えさせられることもあった。

ホラー要素はあるけれども、
グロシーンはないので、
そっちが苦手な方もご安心を。

主演のエミリー・ブラントは、
だいぶ貫録出てきましたね。

「プラダを着た悪魔」の頼りない役とは別人のような、
強い母親役を熱演してます。

適正価格(劇場換算):1,500円