本・読書

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「江戸のことば」(岡本 綺堂)

引き続き、綺堂を。 『江戸のことば』は「綺堂随筆集」とあるけれど、 怪談も数話収められている。 「半七」と同じで、綺堂の怪談でどれが一番優れているか、 あるいは怖いか、などと考えるのはあまり意味がなさそうに思う。 ただこの本に収められた「深川の老漁夫」は、コワい。 話しとしては特に捻りがあるわけではないのだけれど、 謎の漁師と獺(かわうそ)との関係が、 多くを語られていないだけに、異常さが際立って […]

「江戸っ子の身の上」(岡本 綺堂)

引き続き、綺堂を。 綺堂の随筆には動物がよく登場する。 動物といっても犬や猫のような愛玩動物ではなく、 蜘蛛だの、蟹だの、キリギリスだの、、 といった世間ではあまり注目されない存在を採り上げるあたり、 まことに綺堂らしい。 大袈裟に言ってしまえば、 アウトサイダーに対する愛情、 となるのだろうか。 綺堂が怪談を得意としたのも、頷ける。 『満州の夏』という随筆に、蠍の話がある。 「蠍は敵に囲まれた時 […]

「アートディレクションの黄金比」

デザイナー関連の著作は、 なぜか装幀が白い本が多い。 イヤな予感はしていたけれど、案の定つまらない本。 5ページで終了。 こういうインタビュー形式の本って(そもそも手抜きなんだけど)、 インタビュアーと編集者にそれなりの能力がないと、 読む方からすると、全然面白くなくなってしまう、という見本。 まぁ、取り上げられているデザイナーの生き方に余程興味があれば、 また違うのかもしれないけれど、 そもそも […]

「センスのデザイン―クリエイターの感性と技術―」(大内 エキオ)

デザイナーの出す著作は、 なぜか装幀が白い本が多い。 デザインにおける「センス」とは何か、 「センス」を身につけるにはどうすればよいか、 というのがこの本の主旨なんだけれど、 それは残念ながら、失敗。 トップクリエイター達のインタビュー集として読めば、 それなりに楽しめる。 個人的な意見としては、 「センス」なんてものはこの世に存在しないと思っていて、 「センスがない」というのは、 「努力してませ […]

「デザインと死」(黒川 雅之)

デザイナーの出す著作は、 なぜか装幀が白い本が多い。 「デザイン」と「死」の共通項を追求するという内容ではなく、 建築家・デザイナー黒川雅之の、 「デザイン」「死」「美術」といったことに対する、 価値観の吐露である。 ここまで年配の方(失礼)の意見は、 それが合っているとか合っていないとか、 賛同できるとかできないとかのレベルではなく、 聞くだけで価値があると思っている。 そんな僕は古い人間なのか […]

「『怖い絵』で人間を読む」(中野 京子)

この本は、間違いなく面白い。 別に見た目が「怖い絵」を紹介しているわけじゃない。 描く側・描かれる側に潜む、宿命やら愛憎劇といった、 「人間の怖さ」を絵を通じて浮き彫りにするのが、 この本の主題だ。 西洋画というのは、ある時期まではほとんどが肖像画、 あるいは人間を描きこんだものがメインである。 だからこそ1枚1枚の絵には、 人間特有の何かしらの感情が含まれているわけで、 ただ見ただけでは分からな […]

「サド、ゴヤ、モーツァルト」(ギィ・スカルペッタ)

1789年7月14日―、つまりフランス革命当日に、 3人の芸術家が何をしていたか、にスポットを当てた小説である。 小説としては、お世辞にもうまいとはいえない。 けれども、この強烈な個性を放つ3人の芸術家が、 実は全く同時代の人間だったということを知らせてくれるだけでも、 この本の価値はある。 革命の当地フランスで投獄された小説家、 人生の後半に降りかかる不幸を予測だにせず、 スペイン宮廷画家に上り […]

「名画裸婦感応術」(横尾 忠則)

「裸婦」という括りで絵画を眺めるというのは、 意外とありそうでなかった、面白い試みだと思う。 「裸婦」と聞くと(これは自分だけの反応かもしれないが)、 どうも高貴な・近寄りがたい印象があって、 イメージとしては『ヴィーナスの誕生』のような女性を思い浮かべてしまう。 でも実際には、ピカソの描く造形的な裸婦もいれば、 シーレのような淫靡きわまりない裸婦もあるし、 ルノワールのように肌の質感をアピールす […]

「売れるデザインの発想法」(木全 賢)

読書にグルメと悪食があるとすれば、 僕は圧倒的に後者なので、途中で読むのをやめるということは滅多にない。 でも今回は、半分でやめた。 所々で言いたいことは分かるのだけれども、 全体の論旨がどうもつながらない。 それは内容のせいなのか、文章自体のせいなのか、 どちらかなのだろうけれども、 考える暇があったら次の本を読もうと決めた。 講演か何かで喋ったのを本にしたのかと思ったら、 どうもそうではないら […]

「名画で読み解くブルボン王朝12の物語」(中野 京子)

どうも我々は(僕だけかもしれないが)、 政治史と文化史とを別々に捉える傾向にある。 さらには文化史の中でも、音楽史と美術史とは、 頭の中のエリアで完全に区分されてしまっているため、 「この作曲家とこの画家は、同時代の人」ということは、 ざっくりとは分かるけれど、言われなければなかなか気付かない。 この本はブルボン王朝の歴史を軸として、 それにまつわる絵画・画家を紹介してくれているので、 政治史と文 […]

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