言語・文字・文法

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「古典対照語い表」(宮島 達夫)

「万葉集」「竹取物語」「伊勢物語」「古今和歌集」 「土佐日記」「後撰和歌集」「蜻蛉日記」「枕草子」 「源氏物語」「紫式部日記」「更級日記」「大鏡」 「方丈記」「徒然草」 のそれぞれの作品の中で、 どの単語が何回使われているかを、 一覧化した本。 中古から中世にかけての、 代表的な古典作品において、 ある単語がどれぐらい登場するのかを見ることで、 その単語の時代ごとの使用度合や、 また、作品内での単 […]

「私家版 日本語文法」(井上 ひさし)

もう今から40年も前の本になるが、 古いという感じは、ない。 井上ひさしという作家については、 ほとんど、というか、まったく知らないのだが、 著者本人も述べているように、 文法の素人(といっても文筆家である以上、完全な素人ではない)が、 文法について考えた本ということで、 興味を惹かれた。 所々、僕の理解力でも「ん?」と思える箇所が、 ないわけではないが、 なまじ専門家ではない分、 読者目線という […]

「辞書から消えたことわざ」(時田 昌瑞)

主に明治時代以前の文献には見られるが、 現在では、辞典にすら載っていない、 約200のことわざについて、 用例とともに、 それぞれの魅力について語った本。 例えば、 漱石の『愚見数則』にあるそうなのだが、 言う者は知らず、知る者は言わず なんて、意味も明解だし、 覚えやすい対句だし、 現代で使われてもよかろうと思ったり、 浮世草子の『武道張合大鑑』が出典だという、 人間は四百四病の入れ物 なんての […]

「博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話」(サイモン・ウィンチェスター)

OED(オックスフォード英語大辞典)といえば、 英語圏においてはもちろん、 世界最高級の辞典であるとともに、 人類の著作史上における、 最高傑作と呼んでも過言ではないかもしれない。 19世紀の半ば、 ヴィクトリア朝大英帝国において、 ありとあらゆる英語を、 その用例とともに収録することを目指し、 全12巻、完成まで70年、 40万以上の見出し語と180万以上の用例、 その規模は、例えば、 動詞se […]

「翻訳語成立事情」(柳父 章)

近世になって、外国語が輸入されるようになり、 それがもともと日本には存在しないような概念だった場合に、 どのような訳語にすればよいのか、 当時の知識人たちが相当悩んだであろうことは想像に難くない。 そしてその訳語が、 まったくの造語であるならば問題ないのだが、 それより以前に、別の意味で使われていた語だと、 事情はややこしくなる。 この本でも紹介されている分かり易い例でいえば、 「nature」と […]

「盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える」(今野 真二)

別に盗作だけに限らず、 本取りや添削、あるいはパロディをも含めて、 ある文章(または詩歌)に似た、 別の文章(または詩歌)が存在している場合、 後者はどのような言語感覚、意識のもとで為されたものなのか、 を探るのが本書の主旨である。 作品を正面から捉えるのではなく、 その鏡像ともいえる別の作品と比較することで、 特徴や作者の意図に迫ろうとする試みは、 なかなか新鮮であった。 ただ、若干特定の作家に […]

「日本語の謎を解く: 最新言語学Q&A 」(橋本 陽介)

・日本語の起源は? ・なぜ五・七・五なのか? ・丁寧を表す「お」と「ご」の使い分けは? ・古語と現代語で意味が異なる単語があるのはなぜ? ・ら抜き言葉は誤用なのか? ・古文はそのまま話されていたのか? ・「は」と「が」の違い ・日本語の語順はなぜSOVなのか? などなど、実際に著者の教育現場で挙がったという、 日本語に関する疑問について、 ひとつひとつ解説を加えていくことで、 日本語の特徴を概説し […]

「ん―日本語最後の謎に挑む―」(山口 謠司)

古典文法の授業で、例えば、 「あなり」というのは、元々は「あるなり」で、 それが「あんなり」となり、「ん」が欠落したものである と習うが、 「あるなり」⇒「あんなり」は音便として説明が付くものの、 「あんなり」から「ん」が欠落する理由については、 よく分からない。 昔は「ん」を書かなかったのだ、と言われればそれまでだが、 ではなぜ書かなかったのか? いつから書くようになったのか? 「ん」に該当する […]

「部首のはなし―漢字を解剖する」(阿辻 哲次)

「一番日本らしい辞書は?」と問われたら、 それは国語辞典ではなく、漢和辞典なのかもしれない。 部首索引だけなら、本場中国の字典も同様なのだが、 漢和辞典はそれに加えて音訓索引を備えており、 それがこの辞典を、日本的な存在たらしめている。 この本でも再三触れらているとおり、 そもそもその漢字を読めるのであれば、 普通の人は、まず漢和辞典など引かないのだ。 通常は読めない漢字に出会ったときにはじめて、 […]

形容詞「念なし」

いきなり季節外れな話題になるが、 「残念無念、恨めしや~」といえば、 幽霊が登場する際の決まり台詞である。 いま問題にしたいのは、この「無念」という言葉で、 現在では上記の幽霊の台詞同様、 「無念」は専ら「残念」とほぼ同じ意味で使われているが、 よく考えてみると、 「残念」は「念」が「残」っているの対し、 「無念」は「念」が「無」いわけなのだから、 逆の意味であるのが正しいような気もする。 「無念 […]

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