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「煤煙」(森田 草平)

過去の小説家の知名度とは、 文学史に残っているかどうかと同義である。 優れた作家・作品であっても、 文学史に残らなければ評価はされない。 その逆もまた、然りである。 では、優れた作家・作品であっても文学史に残らないというのは、 どのような場合だろうか。 森田草平の「煤煙」はまさにその典型的な例であって、 不倫・心中未遂、といった、 明治の世の中にあっては破廉恥極まりない題材(しかも実話)をテーマに […]

「一流デザイナーになるまで」(クリスチャン・ディオール)

誰もが知ってるクリスチャン・ディオールの自叙伝。 原題は『CHRISTIAN DIOR ET MOI』だから、 直訳すれば「クリスチャン・ディオールと私」で、 こっちの方が内容にもマッチしているのだけれども、 なぜわざわざ別のタイトルを付けたのかは、 ちょっと分からない。 この本を読んで、一流になるためにはどうすればいいのかを感じ取ろう、 などと思うと失敗する。 ここに書かれてるのは、「エピソード […]

「世界でもっとも美しい10の科学実験」(ロバート・P・クリース)

実験の目的とはただ1つである。 すなわち、仮説が正しいか否かを実証すること。 ただ多くの場合が、「仮説を立てた人=実験をする人」となるから、 その意味では、実験の目的とは、 「仮説が”正しい”ことを証明すること」と言い換えられる。 科学者にとって、新しい仮説を打ち立てて、 その正しさを実験によって証明することは、 運命を左右する出来事といってもいい。 だから当然、その実験は、 まさに執念としか言い […]

Glenfiddich CAORAN RESERVE

Glenfiddich CAORAN RESERVE

Glenfiddichは旨いんだけれども、悪く言えば、個性が弱い。 ということで、今回は「カオラン・リザーブ」を買ってみることにした。 シングルモルトというと、割と高いものも多いのだけれども、 Glenfiddichはコストパフォーマンスが良く、 この「カオラン・リザーブ」も、通常のものとほとんど変わらない値段。 さて味は、というと、通常版にほのかな渋みとやや鋭い辛みを加え、 かといってマイルドさ […]

「空海の風景」(司馬 遼太郎)

大学に入ったぐらいから、 小説というものをほとんど読まなくなった。 その理由については、ここでは関係ないので、深く触れない。 読むものとすれば、我が国では、夢野久作、 稲垣足穂、澁澤龍彦、海外では、アポリネールやポオなど、 もっぱら幻想小説だけが、僕の小説的好奇心を満たしてくれていた。 だから、歴史小説なんて読むはずがない。 ましてや、司馬遼太郎なんて、 本を手に取ったことすら、なかった。 別に司 […]

『音楽機械論』(吉本隆明×坂本龍一)

”行為”という視点に立つと、 おそらく人間は2つのタイプに分類される。 ①ボトムアップ型 与えられた事象から、その意味することを汲み取り、 抽象化を行い、意味付けを行う。 五感からのインプットを脳に伝えるタイプ。 ②トップダウン型 脳で思ったこと、感じたことを、事象として表現を行う。 脳からのアウトプットを何らかの形で行うタイプ。 つまり、野球評論家は①であり、野球選手は②。 天文学者は①であり、 […]

「断腸亭日乗」(永井 荷風)

永井荷風先生の日記である。 1917年から、1959年の死の前日まで綴られている。 ランダムに本を開いて、目についたところから読む、 そんな楽しみ方がこの本にはピッタリで、 別にこの本から、 永井荷風とは何か、なんてことは読み取ることはできないし、 そんな読まれ方を、おそらく筆者も期待してはいない。 例えば、こんな感じ。1925年の日記。 ————& […]

「白」(原 研哉)

「白」と聞いたとき、 人は何をイメージするだろうか。 空白? 虚無? 色? おそらくデザイナーならば、 「白とは何もないのではなく、白という存在である」と答えるだろう。 もちろん、どれも正解である。 原研哉という人は、もちろんデザイナーであるわけだけれども、 この「白」というものに、 デザインとしてのアプローチではなく、 文化的なアプローチを試みているのが、この本だ。 本というものは目次を見れば、 […]

久々にハンク・ジョーンズのピアノを

2月17日にブルーノートで演奏しているみたいだけれども、 それに行ったわけではなので、念のため。 六本木けやき坂のTSUTAYAにフラっと寄ってみたら、 ベスト盤(?)みたいなのが売っていたので、思わず購入。 CDなんて買うのは、えらく久しぶりだ。 今年で92歳。 収録されている曲には古い音源も含まれているのだけれども、 比較的最近のものも含まれている。 一般に、芸術家とかアーティストと呼ばれる人 […]

映画「Dr.パルナサスの鏡」

ちょっと仕事に疲れたし、金曜日だし、ということで、 帰りに一人で映画に行くことにした。 金曜の六本木なので混むに違いないと思ったので、 昼間から予約をしていたのだが、行ってみてビックリ。 自分以外にはカップル2組だけ、 計5人での寂しい観賞となった。 さて内容だけれども、 予想通り、いや予想以上に奇妙奇天烈な映画だ。 敢えてたとえれば、江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」(古・・)。 かといって、想像力 […]

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