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「北国紀行」(尭恵)

1485年、美濃国の郡上を出発した尭恵上人が、 北陸に出て柏崎から草津・伊香保へ南下、 武蔵野を巡ったのちに鎌倉を訪れ、 帰路ふたたび越後に入ったところで終わる紀行文である。 文章が全体的に平易で読み易く、 そして何よりも、隅田川、鳥越、湯島、中野、鎌倉、江の島といった、 東京生まれの自分が何度も訪れた土地(中野は僕の地元だけれど)についての記述が、 とにかく興味深い。 最近仕事で、武蔵野線経由で […]

「高校数学でわかるマクスウェル方程式」(竹内 淳)

電磁気学については多少の知識はあったけれど、 かのマクスウェルの方程式については、 実はあまり理解しておらず、 ちょうどよい本を見つけたので手に取って見た。 第1部にて電気・磁気とは何か、 そしてクーロン力について学び、 第2部で、第1部に出てきた各種の数式を、 バージョンアップさせた形としての、 マクスウェルの4つの方程式を提示されることで、 (さらにガウスの法則との関連も併せて) おぉそういう […]

diary 2019/03

・2019年3月31日(日) 調べものをしていたら、 我が家には『古今著聞集』がないことに気付いて、 慌てて古本屋に注文した。 やはり基本的な文献は手元にないと落ち着かない。 ・2019年3月30日(土) 平日中は、週末になったらあれこれしようと思うのだけど、 いざ週末になると、結局朝から呑んだくれて、 やりたかったことができずに終わるという。 これもある意味、人間らしい。 ・2019年3月29日 […]

「日本人とリズム感 ―『拍』をめぐる日本文化論―」(樋口 桂子)

一番の衝撃は「あとがき」に書かれた内容だった。 著者は大人になってからチェロを習い始めたそうで、 そのときに師事した先生のことが書かれていたわけだが、 最初は温厚だった先生が突然、 「あなたにはリズム感がない!」と怒り出し、 それからはひたすら数か月、間開放弦を弾くのみ。 その間もずっと怒鳴り散らし、 著者が体でリズムを取る様子を、 「気持ち悪い。薄気味悪い。恐怖すら感じる」と、 罵倒し続けたのだ […]

「筑紫道記」(宗祇)

言わずと知れた、室町時代の連歌師・宗祇。 彼が山口を出発し、 博多・大宰府などの福岡県北部を周遊、 36日間かけてまた山口へと戻る旅路を綴った紀行文。 宗祇は発句(五・七・五)だけでなく、 当然ながら和歌(五・七・五・七・七)の名人でもあるわけだが、 前者は人に頼まれたときなど、つまり「ハレ」、 後者はその時々の心情を吐露する、つまり「ケ」、 といった具合に使い分けているのが、 当時の発句と和歌の […]

映画「ボーン・コレクター」

20年も前の名作なので、今更感がアリアリですが、 あらためて鑑賞し直してみたので、 備忘録代わりに。 ざっとあらすじを説明すると、 大怪我により、寝たきりとなった天才捜査官ライム(デンゼル・ワシントン)と、 自らが鑑識としての才能を見出した女性巡査ドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)。 ライムが指示を与えながらドナヒーが現場を調査するという形で、 残忍な連続殺人事件の解決に挑む。 毎度あと一歩のと […]

映画「トレーニング デイ」

デンゼル・ワシントンがアカデミー主演男優賞を受賞した、 2001年公開作品。 たぶん劇場で観てる。 大学を2年間サボってた自分としては、 2001年はまだ卒業して2年そこそこぐらいなので、 この映画に出てくる、 イーサン・ホーク演じる若い麻薬捜査官みたいな立場だったろう。 大学を卒業して、そのまま予備校講師を続けて、 何となく雑誌社に入ったら、 まずまずのブラック企業で途方に暮れていた時代(たぶん […]

「私の戦後追想」(澁澤 龍彦)

僕が周期的に読みたくなる作家はそう多くはなく、 夏目漱石、寺田寅彦、内田百間、岡本綺堂、永井荷風、 そして澁澤龍彦ぐらい。 澁澤龍彦といえば、 何と言っても、古今東西、博覧強記、 あのディープな世界が魅力なのだが、 この本は、テーマを定めることなく、 身の回りを綴った軽いエッセイを集めた本。 皇居を壊して道路を通せばどれだけ便利か、とか、 明治政府以来政治家は田舎者なので東京をダメにしたとか、 現 […]

「藤河の記」(一条 兼良)

関白太政大臣まで昇り詰めた政治家にして、 和漢に通じた碩学でもあった一条兼良による紀行文。 応仁の乱による混乱から奈良に避難していた作者が、 家族に会うために美濃国へ往復した際の出来事や、 歌枕に寄せた和歌などが記されている。 古典作品には、中身が大したことなくても、 何故か冒頭だけは気合の入ったものが多いわけで、 これもその類かもしれない。 やや長くなるが、作品冒頭を引用してみよう。 胡蝶の夢の […]

「『偶然』と『運』の科学」(マイケル・ブルックス)

現代社会は、そしてそれを支える科学そのものも、 曖昧さを排除することで成り立っていると思いがちである。 本書は、実はそうではなく、 宇宙の誕生も、生命の登場も、 そして数学や物理といった「予測可能」と思われるものも、 偶然や不確実さやランダムさにどれほど支配されているか、 について語った本である。 著者の異なる27編の文章から成り立っており、 それぞれの関連性についても配慮されているので、 実に読 […]

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