地球科学

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「地震学をつくった男・大森房吉 ―幻の地震予知と関東大震災の真実― 」(上山 明博)

「地震学の父」と呼ばれ、 1916年のノーベル物理学賞候補にまでなった大森房吉。 僕は中学生の頃に、 地学の授業で「大森公式」を習い、 さらに高校(と大学)の大先輩だということを知って以来、 その名前を忘れたことはない。 けれどもこの本によれば、 大森先生は、現在では知名度が低いどころか、 「関東大震災を予知できなかった男」として頗る評判が悪いらしいのだ。 知名度が低いということと、評判が悪いとい […]

「生命誕生 地球史から読み解く新しい生命像」(中沢 弘基)

生命の誕生と進化についてのこれまでの常識に、 果敢に挑戦した、ユニークではあるが決して荒唐無稽ではない、 意欲的な著作。 著者の説を簡単にまとめると、 生命誕生に必要なアミノ酸は、 地球の「後期重爆撃期」の隕石衝突時の化学反応によって生じ、 そして海底深くに埋まったそれら物質が、 プレートテクトニクスにより沈み込む際に、 「生命個体」となる、というもの。 生命は、従来説のように海中ではなく、 海底 […]

「星屑から生まれた世界 進化と元素をめぐる生命38億年史」(ベンジャミン・マクファーランド)

  地球の歴史を「元素」という観点から語った本。 十代の頃から、物理・地学は好きだったものの、 化学は大嫌いだったわけだが、 この本で繰り返し出てくる元素記号を眺めているうちに、 だんだんと化学が好きになってきた。 ある意味、生物が生まれる前の初期の地球というのは、 化学の実験室のようなもので、 リンや炭素、酸素といった材料から、 生物が誕生するまでの流れは、まるで小説を読んでいるかのよ […]

「地球46億年 気候大変動」(横山 祐典)

  サブタイトルは、 「炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来」。 ブルーバックスって、 何となく高校生向けの科学一般書というイメージが強くて、 この本もそのつもりで気軽に手に取ってみたのだけれど、 なかなか専門的でヘヴィーな内容だった。 人間の活動に起因する二酸化炭素の増加により、 地球気候が温暖化しているのは疑いようのない事実だが、 けれど、それ以外の原因によっても、 長期的 […]

「チェンジング・ブルー―気候変動の謎に迫る」(大河内 直彦)

  地球温暖化が(一般的に)問題視され始めたころ、 僕は2つの理由でそれが嫌だった。 1つは、アル・ゴアらによる政治的プロパガンダの色が濃いように感じたこと。 そしてもう1つは、地球のシステムは非常に複雑だということは知っていたので、 人間の活動が、そのまま地球温暖化に直結するという、 多くの人が信じていたような「短絡的な」考え方が嫌だったことだ。 気候システムは「非線形科学」である。 […]

「富士山大噴火と阿蘇山大爆発」(巽 好幸)

  まさにこの本を読んでいた9月16日、 著者の巽好幸氏が率いる、神戸大海洋底探査センターが、 鬼界カルデラの調査を開始するというニュースを知った。 巨大カルデラは、 そのとてつもないエネルギー源(マグマ溜まり)が、 どのような状態になっているかがよく分かっておらず、 それを確かめるためには、 実際にカルデラの近くで人工地震を発生させ、 地震波の伝播の仕方を詳しく調べるしかないと、 まさ […]

「異常気象で読み解く現代史」(田家 康)

  この著者の本を読むのはまだ2冊めだけれど、 気候と歴史を結び付けるというアプローチは、個人的にはとても興味深い。 この本では、歴史といっても、ごくごく最近のことを扱っており、 1993年の我が国での「米騒動」や、 毛沢東政権下の大飢饉、アメリカのダストボウル、 そして「核の冬」に、地球温暖化問題。 政治と気候がどのように結びつき、 それが社会にどのような影響をもたらしたのか、 気候を […]

「連鎖する大地震」(遠田 晋次)

  地震のメカニズムについて、特に東日本大震災を例にとって、 非常に分かりやすく説明してくれている。 地震とは、ニュートン力学的なものではなくて、 量子力学的に考えなくてならない、という主張なんかは、 なるほど、と思わせてくれるし、 関東平野の直下には、未発見のプレートが存在しているという、 「関東フラグメント仮説」についても、 かなり説得力があるような気がする。 あまり革新的な学説が出 […]

「新版 活動期に入った地震列島」(尾池 和夫)

  この本の初版が出たのが、2007年。 著者は京都大学の総長(当時)ということもあり、 阪神大震災のあと、どれぐらい地震に対する研究が進んだかを、 本書中で、特に熱く語っている。 まぁ百歩譲って、 この本の出た4年後の東日本大震災の「予知」が出来なかったのは仕方ないにしても、 本の内容が、ことごとく関西を中心とした地震についてのみで、 東日本については、ほとんど語られていないのは、 い […]

「地球はもう温暖化していない」(深井 有)

  まず始めに、地球温暖化に対する自分のスタンスを述べておくと、 僕はもともと地球科学を独学していたこともあり、 地球の気候は何千万年の単位で大きく変動する一方で、 数百年単位でも上下をすることは知っていたので、 「地球が温暖化している」というマスコミの騒ぎを耳にしたときも、 動揺しないどころか、信じるに値しないものだと思っていた。 さらに、アル・ゴアあたりが声高にそれを主張するのを見て […]