文学・評論

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「日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く」(松岡 正剛)

たまに読みたくなるセイゴウ節。 そして、日本文化を理解したいなら、 この人を読んでおけば間違いない。 ただこの本は、失敗だった。 理由1:内容が浅い おそらく「広く浅く」を、 コンセプトにしているのであろうが、 日本文化初心者(?)には、 良いのかもしれないけれど、 少なくとも僕にとっては、 それぞれのテーマへの深堀りが足りなすぎる。 理由2:細かいことにうるさい まぁこれは、 この人の著作には、 […]

「柿本人麻呂論」(北山 茂夫)

後世、歌聖として崇められ、 伝説や逸話の類は数多くあれど、 官位の低さなどから、 存命時の記録には一切登場しない人麻呂について、 歴史学を専門とする著者が、 天武・持統朝のやや特殊な状況を踏まえつつ、 作品自体や先人たちの研究内容にも深く切り込んで、 この謎の詩人の実体と魅力に迫った論考である。 人麻呂といえば「挽歌詩人」というイメージが強いが、 著者は人麻呂の特徴は、 「相聞的挽歌」にあると断言 […]

「怪談生活 江戸から現代まで、日常に潜む暗い影」(高原 英理)

主に我が国における、 江戸~現代にかけての「怪談」を紹介した本で、 中には、著者自身が体験したり、 他人から聞いたりしたものも含まれる。 現代社会における「怪談」の居場所は小さくなりつつあるが、 一応、「都市伝説」という形で存在はしているものの、 やはり、近代化以前の怪談と比べると、 その想像力というか、迫力が、まるで違う。 「怪談」を「奇妙な話」という意味に解釈すれば、 古くは『日本霊異記』から […]

「批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義」(廣野 由美子)

芯の通った文学論。 「まえがき」にて、小説の読み方には、 ・形式や技法、テクストの構造や言語を調べる「内在的アプローチ」 ・文学以外の対象や理念を探求するために、 文学テクストを利用する「外在的アプローチ」 の2通りが存在し、 本書は小説『フランケンシュタイン』について、 これら2通りの解釈を試みるのが主旨であること、 そしてなぜ『フランケンシュタイン』を選んだのか、 が、明確に語られる。 これは […]

「表現としての俳諧―芭蕉・蕪村」(堀切 実)

  韻文の解釈というものは、内容に偏りがちで、 主観的、そして時には感傷的になりがちではあるが、 それとは逆に、語句やレトリックにフォーカスを当てて、 あくまでも客観的に芭蕉・蕪村の句の解釈を試みた小論集。 俳句に対するこのようなアプローチ方法は、 別に珍しくも何ともないと思いながら読んだのだが、 巻末の解説に、これらが書かれた昭和60年前後においては、 このような解釈は斬新で、価値のあ […]

「荷風語録」(川本 三郎 編)

  永井荷風の作品を、「明治・大正」「戦前」「戦後」「『断腸亭日乗』の世界」に4分類し、 それぞれに描かれた「東京」について解説付きで鑑賞するという、 一風変わったアンソロジー。 東京からかつての江戸が消えていくのを惜しむだけではなく、 実際に深川や玉の井に足を運び、 そこに残る江戸の名残を克明に描写するという荷風のスタイルは、 平成も終わろうとする現代に読んでみても、 決して古臭さを感 […]

「全集を買うとしたらこの作家」ベスト10

第1位:寺田寅彦 第2位:内田百間 第3位:永井荷風 第4位:澁澤龍彦 第5位:岡本綺堂 第6位:坂口安吾 第7位:近松門左衛門 第8位:泉鏡花 第9位:小栗虫太郎 第10位:ジュール・ヴェルヌ 次点としては、種村季弘、井原西鶴、稲垣足穂あたりが続く。 夏目漱石、川端康成、芥川龍之介、夢野久作らは、もちろん好きな作家であるが、 少年時代からあまりにも読み過ぎていて、 いまさら全集を買うのがやや気恥 […]

「地獄の思想―日本精神の一系譜」(梅原 猛)

梅原猛というと、何かと物議を醸してきた印象があるけど。 この本の前半では、仏教において地獄をどのように解釈しているか、 そして後半では、日本文学の中に地獄がどのように表れているか、 が書かれている。 後半で採り上げられているのは、 『源氏物語』、『平家物語』、世阿弥、近松、宮沢賢治、太宰治。 うーーん、どれも単なる評論になっていて、 「地獄の思想」の解説にはなっていない、というのが正直な感想かな。 […]

「澁澤龍彦の記憶」(巖谷國士、養老孟司 他)

  僕の10代の頃の読書の対象といえば、 漱石や川端のような純文学がある一方で、 夢野久作や、そしてこの澁澤龍彦のような、 ある意味「異端」なものもあった。 まさに現代のプリニウスとも呼ぶべき、 古今東西のあらゆる事象に向けて好奇の眼を向ける澁澤作品。 なかでもやはり、最後の小説となった「高丘親王航海記」は、 純文学とか異端文学とかいう垣根を超えた(内容的には純文学であるが)、 奇跡的な […]

「仮名手本忠臣蔵」(上村 以和於)

  「忠臣蔵論」というとあまりにも広すぎるが、 あくまでも「仮名手本忠臣蔵」をベースに、 歌舞伎や浄瑠璃、あるいは数々の外伝、 そしてそこから派生した現代の小説等を比較分析し、 「仮名手本忠臣蔵」の世界を立体的に浮かび上がらせた評論。 いま「立体的」と言ったが、 「仮名手本忠臣蔵」は文学であると同時に、 文楽や歌舞伎といった3次元芸術を前提としたものであり、 また描かれた世界も、徳川と足 […]

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