科学一般

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「宇宙研究のつれづれに」(池内 了)

この著者でこのタイトル、 ワクワクして読み始めたのだが、 内容は想像と大きく異るものだった。 この本のテーマは、 科学倫理というか、 科学者が政治、特に軍事からの誘惑・圧力に、 どのように対処すべきか、 というもの。 日本学術会議の問題は、 まだ記憶に新しいが、 科学者が政府の言いなりになると、 間違いなく軍事利用されるというのは、 我が国の歴史を振り返るまでもなく、 現に、それが海外では、 当た […]

「空間は実在するか」(橋元 淳一郎)

「空間は実在するか」 というタイトルはあまり正確ではなく、 どちらかと言えば、 「空間&時間論」とでも呼ぶべき内容。 それもそのはずで、 本書で扱う「空間」とは、 ミンコフスキー空間(あるいはリーマン空間)で、 そこでは空間と時間とは、 座標軸として対等の存在であり、 どちらかだけを語ることは、 意味をなさないからである。 時間と空間とは不可分、 という事実を確認したうえで、 相対性理論の基礎や、 […]

「あなたの知らない脳 意識は傍観者である」(デイヴィッド・イーグルマン)

思わず~してしまう、 気付いたら~していた、 というような日常的な無意識の行動から、 泥酔時に普段と真逆の言動をしてしまう 夢遊病状態で犯罪を犯してしまう というような特殊な行動まで、 どうやら我々の中には、 「自分が知らないもう一人の自分」 がいて、 そしてその「もう一人の自分」が、 本来の自分の意志とは関わりなく、 ちょいちょい顔を出すことに、 多くの人は、 薄々気付いているに違いない。 その […]

「でたらめの科学 サイコロから量子コンピューターまで」(勝田 敏彦)

「乱数」についての入門書。 乱数の特徴を端的に挙げるとすれば、 ・配列の予想がつかず、偏りもない数の集合 ・その数を示すよりも、 短く説明をすることができない数の集合 といったところか。 ただでたらめに数が並んでいるだけではなく、 「偏りがない」というところがポイントで、 まとまった量の数を調べたときに、 特定の数だけが、 多かったり少なかったりしてもいけない。 数学でいえば、 π(円周率)もe( […]

「世界が動いた『決断』の物語 新・人類進化史」(スティーブン・ジョンソン)

スティーブン・ジョンソンによる、 「新・人類進化史」シリーズの3冊目。 実際の歴史や政局などの、 重要な局面に存在した「決断」の例をたどりつつ、 予想、選択、決定といった、 「決断」に至るまでの一連のプロセスには、 どのような方法があり得るのか、 そしてそれらを行う際に、 我々の脳や心理がどのように作用するのか、 について述べた本。 オバマ政権によるビン・ラディン暗殺作戦については、 目星を付けた […]

「世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史」(スティーブン・ジョンソン)

「世界を変えた6つの『気晴らし』」に続く、 スティーブン・ジョンソンによる「新・人類進化史」。 本書のテーマは、 あるひとつの発見・発明が、 まったく別の分野でのイノベーションを引き起こすという、 いわゆる「ハチドリ効果」について。 具体的には、 本書の第一章「ガラス」で触れている、 下記の事例が分かりやすいだろう。 グーテンベルクが印刷技術を発明したことで、 書物を読む人口が急増したことは、 世 […]

「千夜千冊エディション 情報生命」(松岡 正剛)

メンデルが遺伝学の扉を開いて以来、 ワトソンとクリックがDNAの二重螺旋構造を発見し、 ドーキンスが生物とは遺伝子の乗り物であると唱え、 生命と情報(遺伝子)とは、 不可分の関係となったはずなのだが、 我々はインターネットやAIなど、 「情報を扱う」ことに夢中になってしまった感がある。 生命と情報の関係のみならず、 熱力学第二法則とは、 もしかしたら情報伝達・拡散の別の姿かもしれず、 またシュレー […]

「『偶然』の統計学」(デイヴィッド・J・ハンド)

結びにある、古代ローマのペトロニウスの、 「偶然にはそれなりの理由がある」 という言葉が、 この本の主旨をズバリ表現している。 我々は「ほどよく平均的な」考え方に慣れているため、 たとえばサイコロを10回振って、 10回とも同じ目が出たとしたら、 それはあり得ない、 きっとイカサマに違いない、と思いたくなる。 果たしてそうなのか? この本では、 一見「とてもあり得なさそうな」事象について、 著者が […]

「時間は存在しない」(カルロ・ロヴェッリ)

物理学の最前線にいる著者による、 「時間とは何か」を論じた本。 論旨は明快だ。 まずは相対性理論により、 ニュートン以来信じられていた「絶対的な時間」が、 存在しないことを示す。 次に量子力学の説明に移り、 ・位置が決まると、速度が決まらない ・速度が決まると、位置が決まらない という有名な性質は、順序を入れ替えると成立しない、 つまり量子変数の「非可換性」について述べ、 この順序の違いこそが、時 […]

「流れといのち──万物の進化を支配するコンストラクタル法則」(エイドリアン・ベジャン)

生物、無生物を問わず、 世の中のあらゆる事象は、物理で説明できますよ、 というのがこの本の趣旨。 「あらゆる事象」というのが言い過ぎだとすれば、 著者が熱力学を専門としていること、 また、本書のタイトルからも分かるとおり、 世の中における「流れ」、 例えば、河川の流れや乗り物によるエネルギーの流れなど、 それらにはルールがあり、 そのルールとは即ち物理法則に従うものだ、と。 素人としての意見を述べ […]

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