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「『半七の見た江戸』~「江戸名所図会」でたどる半七捕物帳」(今井 金吾 編)

綺堂が、かの「シャーロックホームズ」シリーズに触発されて、 「半七」シリーズを書いたことは有名だけれども、 ホームズ中に描かれたロンドンの風景の大部分が、 今でもそのまま残っているのに対し、 半七が見であろう江戸の風景、 そして地名でさえも、現在残っているものはほとんどない。 「半七」全編に登場する江戸の地名を、 ひとつひとつ図絵で紹介し、解説を付したのこの本だ。 かつて「半七」を読んだときには、 […]

「ドガ展」(@横浜美術館)

静物画、肖像画、風景画。 宗教画を除けば、絵画は静的なテーマであることが多い。 止まっているものを精緻に描く、 あるいは動いているものの時間を止めて描く、 例えばドガと同時代の印象派の手法というのが、 まさにそれだった。 けれどもドガの画は、 動いているものをあたかも動いているかのように、 もっと言えば、時間を止めずに対象を描いた、 数少ない画家であるかもしれない。 だから、ドガの画のテーマに、 […]

「~隅田川~江戸が愛した風景~」(@江戸東京博物館)

作家や美術館を冠にした展覧会が多い中で、 特定のテーマを掲げた企画展というのは、 開催する側にとっても骨が折れることに違いない。 今回の「すみだ川」展は、 開催側の気合もひしひしと伝わってくる、 すばらしい企画だと思った。 やはり江戸、そして東京は水の都。 わが国の首都の歴史は、 水運なくしては、語ることができない。 特に江戸の東端を南北に貫くすみだ川は、 水運という経済的な面はもとより、 多くの […]

「江戸のことば」(岡本 綺堂)

引き続き、綺堂を。 『江戸のことば』は「綺堂随筆集」とあるけれど、 怪談も数話収められている。 「半七」と同じで、綺堂の怪談でどれが一番優れているか、 あるいは怖いか、などと考えるのはあまり意味がなさそうに思う。 ただこの本に収められた「深川の老漁夫」は、コワい。 話しとしては特に捻りがあるわけではないのだけれど、 謎の漁師と獺(かわうそ)との関係が、 多くを語られていないだけに、異常さが際立って […]

「江戸っ子の身の上」(岡本 綺堂)

引き続き、綺堂を。 綺堂の随筆には動物がよく登場する。 動物といっても犬や猫のような愛玩動物ではなく、 蜘蛛だの、蟹だの、キリギリスだの、、 といった世間ではあまり注目されない存在を採り上げるあたり、 まことに綺堂らしい。 大袈裟に言ってしまえば、 アウトサイダーに対する愛情、 となるのだろうか。 綺堂が怪談を得意としたのも、頷ける。 『満州の夏』という随筆に、蠍の話がある。 「蠍は敵に囲まれた時 […]

「カポディモンテ美術館展」(@国立西洋美術館)

「放蕩息子の帰宅」というのは、 聖書中のエピソードの中でも、 よく絵画化されたものの1つである。 中でもレンブラントの作品がずば抜けて有名だけれども、 あの極端な陰影と表情がはっきりしない点、 そして人物を無理に構図に押し込めたようなレイアウトが、 個人的にはあまり好きではない。 今回の「カポディモンテ美術館展」で出会った「放蕩息子の帰宅」は、 ひと目見て好きになった。 適度な陰影、父の手を取り自 […]

「アートディレクションの黄金比」

デザイナー関連の著作は、 なぜか装幀が白い本が多い。 イヤな予感はしていたけれど、案の定つまらない本。 5ページで終了。 こういうインタビュー形式の本って(そもそも手抜きなんだけど)、 インタビュアーと編集者にそれなりの能力がないと、 読む方からすると、全然面白くなくなってしまう、という見本。 まぁ、取り上げられているデザイナーの生き方に余程興味があれば、 また違うのかもしれないけれど、 そもそも […]

「ウフィツィ美術館自画像コレクション」(@損保ジャパン東郷青児美術館)

よく、「肖像画は実際の2割増し」なんていうけれども、 自画像ともなると、4~5割増しにはなるのではないか。 僕には画家の心境は全く分からないけれど、 なぜ多くの画家は自画像なんてものを描くのだろうか。 やはり一種のナルシシズムがそこにあろうことは、間違いない。 依頼主が存在する肖像画ほどではないかもしれないが、 自画像というのもやはり、 「実験」や「遊び」をしづらいジャンルであろう。 だから、自画 […]

「センスのデザイン―クリエイターの感性と技術―」(大内 エキオ)

デザイナーの出す著作は、 なぜか装幀が白い本が多い。 デザインにおける「センス」とは何か、 「センス」を身につけるにはどうすればよいか、 というのがこの本の主旨なんだけれど、 それは残念ながら、失敗。 トップクリエイター達のインタビュー集として読めば、 それなりに楽しめる。 個人的な意見としては、 「センス」なんてものはこの世に存在しないと思っていて、 「センスがない」というのは、 「努力してませ […]

「デザインと死」(黒川 雅之)

デザイナーの出す著作は、 なぜか装幀が白い本が多い。 「デザイン」と「死」の共通項を追求するという内容ではなく、 建築家・デザイナー黒川雅之の、 「デザイン」「死」「美術」といったことに対する、 価値観の吐露である。 ここまで年配の方(失礼)の意見は、 それが合っているとか合っていないとか、 賛同できるとかできないとかのレベルではなく、 聞くだけで価値があると思っている。 そんな僕は古い人間なのか […]

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