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「孤猿随筆」(柳田 国男)

動物関連の著作のみを集めた、 柳田国男の随筆集。 古来、日本人が野生の動物とどのように関わりをもってきたか。 学問的に裏付ける文献は少ないながらも、 「狼史雑話」などは単に読み物として十分楽しめる内容になっている。 「モリの実験」は、 彼が飼っていた秋田犬の習性を記録したもので、 何とも微笑ましい気分にさせてくれる。

「マゼラン 最初の世界一周航海」

世界一周には遠く及ばないが、 東京・福山間の新幹線での往復で読み終えた。 激しい覇権争いを繰り広げていた当時のスペイン・ポルトガルにおいて、 ポルトガル人のマゼランが、 スペイン国王の命を受けて航海に出た意義というのは、 それが「歴史上初の世界一周」であった事実以上に大きなものである。 大船団を組んだものの、 帰国したのはわずか18名。 船上で、そして停泊先で一体何が起きたのか。 帰還メンバーの1 […]

「古語雑談」(佐竹 昭広)

我が枕書である「岩波古語辞典」の編纂者の一人、 佐竹昭広先生の著。 国語学の何たるかを、ここまで簡便に、 しかしながら情熱をもって伝える書物はそう多くはないだろう。 万葉集・記紀から西鶴まで、 著者の想像力と探究心とが、 古語の姿を明らかにしてゆく。 伝統的な学説にに縛られ過ぎず、かといって逸脱し過ぎず、 心地よいバランス感覚で綴られた良書だろう。

「ボストン美術館 浮世絵名品展」(@山種美術館)

美術館で美女探し、 なんて書くと何とも不埒なように聞こえるけれども、 これは美人画の話。 2-3年前に福岡の美術館で、 同じくボストン美術館展を見たときとは違って、 今回の来日はかなりこじんまりとしたもの。 折角の江戸への里帰りなのに、かつてと比べて、 大分放射線の量が多くなっていることが、何とも申し訳ない。 それはさておき、 今回の構成は、清長・歌麿・写楽+αというもので、 特に清長の作品をまと […]

「日本人の暦」(長谷川 櫂)

現代の暦には、明治以降の太陽暦(新暦)と、 西暦700年ぐらいに大陸から渡ってきた太陰太陽暦(旧暦)、 そしてそれ以前の日本古来の太陰暦(太古暦)の3つが混在しており、 二十四節気をベースに各季節の解説をしながら、 これら3つの暦の絡まった紐をほどいていく、、、 というのがこの著作の狙いなんだろうけれど、 各季節ごとにそれぞれに属する季語の説明があるのだが、 その1つ1つにもれなく著者自身の句がま […]

ティタノボア・セレホネンシス

2年ほど前に、コロンビアで発見された史上最大のヘビだという。 体長約14m、体重約1t。 興味深いのが、この蛇が生息していた時代で、 今から約6,000万年前。 蛇の祖先は、ジュラ紀の後半に登場したと言われ、 恐竜などの大型爬虫類から地中(あるいは水中)に逃れて棲むうちに、 脚がなくなったといわれている。 「マイナーな爬虫類」だった蛇が、 6,500万年前の天変地異をワニやカメとともに生き延び、 […]

春立つや

今年もそろそろ桜が咲く季節になった。 震災、放射能、これからくる不況、、、 そんなことを考えるととても春めいた気分にはなれないが、 桜に罪はない。 人にかまわず、季節はやってくる。 春になると思い出す小林一茶の句がある。 春立つや 愚の上にまた 愚にかへる 和歌や俳句というのは、データベースの遊戯である。 ある句から連想される景色なり感覚を、 如何に過去のデータベースから探ってきて、 重ね合わせる […]

例の、「AERA」の件

なんか「AERA」とかいう雑誌が袋叩きにあってるらしいというんで、 色々調べてみたが、僕には???状態。 なんでこれがここまで非難を浴びるのかが、 全く理解できない。 自分の違和感がどこにあるのかを、以下にて分析。 ①そもそも日本人はマスコミを重視しすぎ 日本のマスコミのレベルは恐ろしく、低い。 これが官房長官の発表だったら大問題かもしれないが、 所詮は日本のマスコミ。 いちいち内容に一喜一憂する […]

ツイッターが大嫌い

なんです。僕は。 「ツイート」(つぶやき)という態度は、 「発言」とは異なる。 「発言」には責任がある。 でも「つぶやき」は公のものではないから、 責任を免れ得る、という甘い考えがそこにはある。 もちろん「つぶやき」という行為自体に非はないが、 猫も杓子も、企業や政治家までもが、 自分の意見を「ツイート」するというのは、 潔さというか責任感が欠如しているような気がする。 つまり、何か言っても、 「 […]

「久生十蘭短篇選」

高校に入るか入らないかの頃、 夢野久作、稲垣足穂、澁澤龍彦といった、 「ハミ出し文学」として久生十蘭も読んでいた記憶がある。 あれから20年以上経ったいま、 本屋の棚の隅にたまたま見つけたので、 懐かしさ半分で購読してしまった。 洗練された文体、行間に漂うエスプリ、程よい艶めかしさ。 この感覚は誰かの作品に似ている、と思ったらアポリネールだった。 (勿論、大学の第三外国語のフランス語で挫折してしま […]

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