物理学

「三体問題 天才たちを悩ませた400年の未解決問題」(浅田 秀樹)

三人寄れば文殊の知恵、 という言葉がある一方で、 船頭多くして船山に登る、 というのもある。 要するに、 たとえば会議などにおいて、 参加者の数が多いことには、 メリットもデメリットもあるわけなのだが、 これが物体間に働く重力の話になると、 物体の数が増えれば増えるほど、 話は断然ややこしくなってくる。 「物体の数が増えれば増えるほど」 というよりも、 現状厳密に解を出せる(解がある)のは、 2物 […]

「素粒子論はなぜわかりにくいのか」(吉田 伸夫)

量子論が伝える内容は、 我々の住むマクロの世界の感覚では腑に落ちないことが多く、 中でも素粒子が、粒子と波動の両方の性質を持つというのは、 ヴィジュアルとして理解できないという意味でも、 理解のハードルが高い内容であろう。 本書ではそれを「場」の理論として、 数式は一切使わずに、 バネを用いた分かり易い図解を試みている点に価値がある。 今までチャームだとかフレーバーだとか、 素粒子の分類みたいな話 […]

「高校数学でわかるマクスウェル方程式」(竹内 淳)

電磁気学については多少の知識はあったけれど、 かのマクスウェルの方程式については、 実はあまり理解しておらず、 ちょうどよい本を見つけたので手に取って見た。 第1部にて電気・磁気とは何か、 そしてクーロン力について学び、 第2部で、第1部に出てきた各種の数式を、 バージョンアップさせた形としての、 マクスウェルの4つの方程式を提示されることで、 (さらにガウスの法則との関連も併せて) おぉそういう […]

「物理法則はいかにして発見されたか」(R.P.ファインマン)

ファインマンによる、 1964年のコーネル大学での講演と、 その翌年のノーベル賞受賞講演の、 2つが収められている。 前者の方は、重力の法則から量子力学まで、 物理の世界の具体例を挙げながら、 既知の法則からいかにして新たな法則を導くか、 について、専門家以外にも分かり易いように語られている。 後者は量子電磁力学の専門的な内容を含むものだが、 我々は、ともすると科学者というものは、 何やらエクセレ […]

「パーフェクト・セオリー 一般相対性理論に挑む天才たちの100年」(ペドロ・G・フェレイラ)

  これは一般相対性理論のと宇宙物理学の歴史についてまとめた本で、 新鮮な話はほとんどなく、 新説を期待していた自分としては、やや期待外れの結果となった。 しかも、たとえばインフレーション理論やハッブルについての言及が、 ほんの2~3行で片づけられてしまったりと、 内容のバランスを欠いているように思われ、そこも不満。 ただ、現代の宇宙物理学においてアインシュタインの重力理論が、 どのよう […]

「物理パラドックスを解く」(ジム・アル=カリーリ)

  パリへ向かう飛行機で、ふと下を見下ろすと、 ウラル山脈のあたり、一面の荒野に巨大な湖が散在するという、 光景がそこにあった。 高度と湖の見た目から想像するに、 かなり巨大な湖に違いない。 しかもひとつではなく、いくつもある。 別に美しい景色というわけでは決してないのだが、 隕石なのか火山なのか、その原因はわからないが、 そのような雄大な地形を生み出す、地球の科学というものを、 あらた […]

「なぜE=mc2なのか」(ブライアン・コックス/ジェフ・フォーショー)

内容もさることながら、 装丁の青色に惹かれて、購入。 青色は興奮を沈静化するから、 知的な本を飾る色としては、誠にふさわしい。 外見はさておき、内容はというと、 まさに「一般向け科学書の王道」。 ファラデー、マックスウェルから入って、 光とは何かを語り、アインシュタインへと至る。 量子力学のあたりも好きだけど、 やはりこの「光」にまつわる物理の歴史は、 何度読んでもワクワクする。 「E=mc²」と […]

「物理学と神」(池内 了)

科学の諸法則を突き詰めれば、 最後はいくつかの定数の壁にぶち当る。 それらの定数には、「なぜ?」という、 おそらく文明の進歩を促進させたであろう「お決まりのフレーズ」は、 もはや通用しない。 だからそれらの定数は、神が決定したと言うしか、 いまのところ説明の仕様がない。 ただ僕個人の考えとしては、 別に神が敢えてこのように宇宙をデザインしたわけではなく、 いろんなタイプの宇宙が出来ては消え(あるい […]

「なんにもない 無の物理学」(フランク・クロース)

原題は、「The Void」。 「void」という語は、虚無を表すのにぴったりな語感だと思うのだが、 それを活かさずに、回りくどい邦題を付けてしまったのは、 ちょっと残念か。 それはさておき、 古代ギリシャから始まった「真空」に対する認識が、 どのように変遷し、そして最新の科学ではどのように理解されているのか・・・ というのがこの本の主旨。 真空を理解するにはエーテルに言及することは避けて通れず、 […]