随筆・エッセイ・日記

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「酒から教わった大切なこと 本・映画・音楽・旅・食をめぐるいい話 」(東 理夫)

読書と酒は似ているところがあって、 これはheavyだな、と思っても進みが早かったり、 逆に、lightだと思ったら結構時間が掛かったり。 酒に関するエッセイを集めたこの本は、 ひとつひとつは、 電車の一駅分にも満たないぐらい短く、 かつ内容的にもスラスラと読めるのだが、 (悪い意味ではなく)まるで薄い酒をちびちびと舐めているようで、 読み終わるのに、案外時間を要してしまった。 長編小説を、寝る間 […]

「新方丈記」(内田 百間)

終戦前後の小屋暮らしを描いた『新方丈記』と、 百間が語った内容を文章化した『百間園夜話』を収録。 『新方丈記』については、 以前紹介した『東京焼盡』とほぼ同じ内容なので、 あらためてここで触れられることも少ないのではあるが、 あらたに追加になっていた内容で、 思わず笑ってしまったのが、 百間の師である漱石の思い出を語った部分。 たとえば、 空襲で家を焼き出された後、 百間と共に小屋で暮らすことにな […]

「東京焼盡」(内田 百間)

まず最初にことわっておくと、 百間先生の「けん」の字は、 本来は「門がまえ+月」なのであって、 それを「間」の字で代用しているのは、 一部のブラウザで文字化けをするために、 やむを得ない処置なのではあるが、 そもそも「月」と「日」は、 全く異なるものであり、 しかも単独では「ケン」とは発音しないにもかかわらず、 そのどちらもが「門」の中に入ると、 同じく「ケン」と発音するのがおかしいのであって、 […]

「泥酔文学読本」(七北 数人)

「酒と文学はよく似ている」ということから、 酒が印象的な数多くの作品を紹介したエッセイ集。 自分が最近あまり小説を読まないこともあり、 ほとんどが知らない作品ばかりであったが、 さいわい酒の方は、 あまり飲まないどころかお世話になりっぱなしなので、 トータルとしてはまずまず楽しめることができた。 やはり酒というのは、古今東西、 日常と非日常とをつなぐアイテムの代表格だったわけで、 それが小説や詩歌 […]

「敗戦日記」(高見 順)

1945年の1月1日から12月31日まで、 ほぼ毎日綴られた日記である。 僕は高見順という作家の作品を、 実は読んだこともなかったし、どんな人物かもよく知らない。 だから偏見が混じることなく、 1945年という敗戦の年の出来事を綴った貴重な記録として、 接することができた。 戦争末期、そして戦後直後に、 東京の街はどういう様子だったのか、 日本人はどのような生活をしていたのか、 それらを知ることが […]

「迷信博覧会」(種村 季弘)

久しぶりに種村季弘の文章を読んでみて、 どことなく内田百間に似ているな、と思った。 そういえば、二人とも東大のドイツ文学科卒業。 たとえば中国文学を専門にしている人の文章に、 独特の語り口があるのは知っているが、 もしかしたらドイツ文学にも同じことがいえるのか? ・・・でもとりあえずサンプルは2人だけだから、 うっかり一般化はできない。 ともあれ、どちらも僕好みの人を喰ったような文章で、 ぱっと見 […]

「138億年の人生論」(松井 孝典)

日本を代表する惑星物理学者による人生論。 人生論といっても、仕事や健康や教養など、 さまざまな内容について断片的に語ったもので、 正直、著者に馴染みのない人にとっては、 あまり面白くない本なのかもしれない。 逆に、著者の学説を知っている人からすれば、 学問上の思考と、日常生活における信条とのつながりを 知ることができるこのエッセイには、 心に響くものもあるのではないだろうか。 とはいえ、 特別鋭い […]

「私の戦後追想」(澁澤 龍彦)

僕が周期的に読みたくなる作家はそう多くはなく、 夏目漱石、寺田寅彦、内田百間、岡本綺堂、永井荷風、 そして澁澤龍彦ぐらい。 澁澤龍彦といえば、 何と言っても、古今東西、博覧強記、 あのディープな世界が魅力なのだが、 この本は、テーマを定めることなく、 身の回りを綴った軽いエッセイを集めた本。 皇居を壊して道路を通せばどれだけ便利か、とか、 明治政府以来政治家は田舎者なので東京をダメにしたとか、 現 […]

「中谷宇吉郎随筆集 」(樋口 敬二 編)

  雪の研究で知られる著者による、 主に科学に関するエッセイ集。 ジャンルとしては師の寺田寅彦と被るが、 寺田が大局から柔らかく論じる形式であるのに対して、 中谷は最初からストレートに核心に迫る、という印象。 戦時中に書かれた作品も多く、 あの大戦下で科学者がどのような思考をしていたのか、 ということを探れるという意味でも興味深い。 科学関連のみならず、自身の体験や昔日の思い出などを語っ […]

「大人の科学」(南 伸坊)

  著者曰く、この本の想定読者は、 「(自分を)コドモと思っていないコドモ」あるいは、 「(自分を)大人と思っていない大人」 ということらしい。 要するに、どっち付かずの中途半端。 「色気の科学」(「男と女」「ホルモン」「血液」など) 「生死の科学」(「死体」「解剖」「寿命」など) 「話題の科学」(「人工現実」「進化」「サリン」など) 「脳内の科学」(「記憶」「睡眠」「表情」など) とい […]

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