随筆・エッセイ・日記

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「敗戦日記」(高見 順)

1945年の1月1日から12月31日まで、 ほぼ毎日綴られた日記である。 僕は高見順という作家の作品を、 実は読んだこともなかったし、どんな人物かもよく知らない。 だから偏見が混じることなく、 1945年という敗戦の年の出来事を綴った貴重な記録として、 接することができた。 戦争末期、そして戦後直後に、 東京の街はどういう様子だったのか、 日本人はどのような生活をしていたのか、 それらを知ることが […]

「迷信博覧会」(種村 季弘)

久しぶりに種村季弘の文章を読んでみて、 どことなく内田百間に似ているな、と思った。 そういえば、二人とも東大のドイツ文学科卒業。 たとえば中国文学を専門にしている人の文章に、 独特の語り口があるのは知っているが、 もしかしたらドイツ文学にも同じことがいえるのか? ・・・でもとりあえずサンプルは2人だけだから、 うっかり一般化はできない。 ともあれ、どちらも僕好みの人を喰ったような文章で、 ぱっと見 […]

「138億年の人生論」(松井 孝典)

日本を代表する惑星物理学者による人生論。 人生論といっても、仕事や健康や教養など、 さまざまな内容について断片的に語ったもので、 正直、著者に馴染みのない人にとっては、 あまり面白くない本なのかもしれない。 逆に、著者の学説を知っている人からすれば、 学問上の思考と、日常生活における信条とのつながりを 知ることができるこのエッセイには、 心に響くものもあるのではないだろうか。 とはいえ、 特別鋭い […]

「私の戦後追想」(澁澤 龍彦)

僕が周期的に読みたくなる作家はそう多くはなく、 夏目漱石、寺田寅彦、内田百間、岡本綺堂、永井荷風、 そして澁澤龍彦ぐらい。 澁澤龍彦といえば、 何と言っても、古今東西、博覧強記、 あのディープな世界が魅力なのだが、 この本は、テーマを定めることなく、 身の回りを綴った軽いエッセイを集めた本。 皇居を壊して道路を通せばどれだけ便利か、とか、 明治政府以来政治家は田舎者なので東京をダメにしたとか、 現 […]

「中谷宇吉郎随筆集 」(樋口 敬二 編)

  雪の研究で知られる著者による、 主に科学に関するエッセイ集。 ジャンルとしては師の寺田寅彦と被るが、 寺田が大局から柔らかく論じる形式であるのに対して、 中谷は最初からストレートに核心に迫る、という印象。 戦時中に書かれた作品も多く、 あの大戦下で科学者がどのような思考をしていたのか、 ということを探れるという意味でも興味深い。 科学関連のみならず、自身の体験や昔日の思い出などを語っ […]

「大人の科学」(南 伸坊)

  著者曰く、この本の想定読者は、 「(自分を)コドモと思っていないコドモ」あるいは、 「(自分を)大人と思っていない大人」 ということらしい。 要するに、どっち付かずの中途半端。 「色気の科学」(「男と女」「ホルモン」「血液」など) 「生死の科学」(「死体」「解剖」「寿命」など) 「話題の科学」(「人工現実」「進化」「サリン」など) 「脳内の科学」(「記憶」「睡眠」「表情」など) とい […]

「涼しい脳味噌」(養老 孟司)

  養老先生の1990年前後のエッセイを集めた本。 前半は、解剖医の立場から「心と身体」の問題を述べたものが中心となっている。 英語で死体のことを「body」と表現することを初めて知ったとき、 ものすごく違和感があったことをいまだに覚えているが、 日本人と西洋人に「身体観」の違いについて書かれている箇所を読んだとき、 あぁ、なるほどと思えた。 要するに日本人は、「心」と「体」を切り離して […]

「蔵書一代」(紀田 順一郎)

副題は、「なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか」。 本好きであれば考えざるを得ない、 蔵書をいかに処分するのか、 蔵書にはどのような意味があるのか、 について語った本である。 割と軽めな文庫小説などを読まれているのであれば、 ある程度たまった本を古書店で売ることは、 それほど悩むことではないのかもしれない。 けれど、今後の趣味人生において参考となるだろう本や、 そうでなくても、一冊何千円もしたものに […]

「日本の酒」(坂口 謹一郎)

  名著と評判の当書を、ようやく読んでみた。 日本酒の歴史から始まり、 他の酒との比較、製法、そして科学的分析、 著書の酒に対する愛が溢れた、確かに名著だった。 書かれている内容はそれほど平易ではなく、 特に菌や製法の話になると、 専門知識がないとちょっと難しい部分も多いのであるが、 それでもスラスラと読ませてしまうのは、 著者曰く、名酒とは、 「喉にさわりなく、水の如く飲める酒」 であ […]

「今夜もひとり居酒屋」(池内 紀)

  よく西洋かぶれの人が、 「日本にはカフェの文化がない」と嘆いたものだが、 代わりに居酒屋文化がある。 居酒屋というのは不思議な空間で、 仲間と訪れてもよいし、 「おやじの聖地」として一人でちびちびやるのも、 この上ない楽しみだったりする。 カウンターの隅っこで、本を片手に一杯、 というのは、最高の贅沢。 そういうときに読むのが、 酒や居酒屋に関する本であれば、なおさらである。 そこに […]

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