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「久生十蘭短篇選」

高校に入るか入らないかの頃、夢野久作、稲垣足穂、澁澤龍彦といった、 「ハミ出し文学」として久生十蘭も読んでいた記憶がある。 あれから20年以上経ったいま、本屋の棚の隅にたまたま見つけたので、懐かしさ半分で購読してしまった。 洗練された文体、行間に漂うエスプリ、程よい艶めかしさ。 この感覚は誰かの作品に似ている、と思ったらアポリネールだった。 (勿論、大学の第三外国語のフランス語で挫折してしまった自 […]

名も無きシューベルト

シューベルトのイ長調ソナタ。 中学の頃からこの曲が好きで、 ブレンデル、ポリーニ、ケンプ・・・巨匠と呼ばれるピアニストの録音は何回も聞いているけれど、 特に最終楽章のロンドを理想的に弾いてくれる演奏には出会えなかった。 祈るように、深く、けれど暗すぎず。 youtubeで探していたら、再生回数7回、ピアニスト名すら表記されていない、 隠れた名演奏が見つかった。 このぐらいの抑制が、シューベルトには […]

姉妹デュオ「sky」ライブ

知人のやってる会社所属のアーティストのライブがあるというので、 神戸から梅田へ移動。 ルックス的にアイドル風なのかと思っていたら、 ところがどっこい(死語)、なかなかの歌唱力。 姉妹だからか、声色・音域も近いようで、低音・高音のパートを二人で往き来するあたりは、 結構楽しめた。 普段はまったく縁のないジャンルの音楽なのだけれども、 やはりライブは格別。 ライブの後は、ものすごい雑踏の中を、焼き鳥屋 […]

「巨大翼竜は飛べたのか スケールと行動の動物学」(佐藤 克文)

看板に偽りあり。タイトルに騙された。 翼竜の話が出てくるのは最後の10分の1ほど。 あらかじめ前書きにて、「翼竜の話が出てくるのは最後の最後だけれども、 それまでの話は大事な前提となるので我慢して読んでいただきたい」とあったけれども、それも本当か疑わしい。 なぜなら、翼竜についての論旨をまとめると下記になるのだが、 ①翼長が10mを超す翼竜の体重が、従来の説のとおり70kgだというのはおかしい。 […]

  • 2011.03.20

山頭火の一句

型破りで個性的な俳句が多い種田山頭火に、 彼にしては控えめだが、僕の好きな一句がある。 のぼりつめて 少しくだれば 秋の寺 単に「のぼってくだる」のではなく、 「のぼりつめて」、そして「少しだけ」「くだる」。 のぼりつめることによって極限まで高まった位置エネルギーを、 ほんの少しだけ解放する。 その緊張が若干緩んだところにあったのが、 「秋の寺」だというのが、なんとも心にくい。 「秋の寺」と聞けば […]

「絵画の二十世紀~マチスからジャコメッティまで 」(前田 英樹)

西洋絵画の一つの頂点が、セザンヌだったことは間違いない。 ではセザンヌが到達した地点を、以降の画家達は、とりわけ「写真」という技術が誕生した後に、どのように継承していったのか。 マチス、ピカソ、ジャコメッティ、ルオーという「セザンヌの子供たち」の作品を通して、西洋絵画とは何か、を浮き彫りにする。 色か線か、平面かマチエールか、オブジェかアートか。 対照的な概念を用いつつ、(若干読みづらくはあるが) […]

生命はどのように誕生したか

生命はどのように誕生したのか、という、 科学にとって極めて根源的な疑問について、 未だに納得のゆく答えは出ていない。 古くから有力な説は、 原始地球に落雷などを契機とした何らかの科学反応によって 有機物が誕生した、という説だけれど、 それなら実験室で再現できそうなものなのに、 誰一人として成功していない。 最近、どこぞの科学者が隕石の中に生命痕を発見したというニュースがあった。 興味深かったのは、 […]

惑星系形成の謎

最近の「ナショジオ」に、惑星形成に関する3つの定説が見事に覆されたという記事があった。 3つの定説とは、 1.すべての惑星の軌道はほぼ真円である 2.恒星系のすべての天体が同一平面上を同一方向に公転している 3.海王星サイズの惑星は宇宙では珍しい のこと。 しかしながら、太陽系外惑星が多く見つかるにつれて、 上記の3つを満たすような惑星は全体の3分の1ほどしかない、というのだ。 一般相対性理論が水 […]

「元禄期 軽口本集」

一言でいえば、江戸時代のコント集。 内容はなかなかレベルの高いものが多く、中にはうーん、と唸らせるものさえある。 言葉遊び、なぞなぞ、昔話、歴史物、そしてお決まりの下ネタ(わりとメイン)。 江戸の発想力の豊かさを、手軽に味わえる。 電車通勤を開始して3カ月余り。 こういう本(しかも文庫本)と一緒なら、苦にならない。

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