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「不朽の名画を読み解く」(宮下規久朗)

14~20世紀の70人の画家の150点近くの絵画の解説が、オールカラーで1,800円なら、お買い得である。 中には、イマイチ説明がピンと来ないものもあったが、解説抜きで絵を眺めるだけでも、十分に楽しめる。 全体像はもちろん、寄りの絵があったり、参考作品もあり、人物伝もあったりと、この本を読んで実物を見たくなった絵もかなりある。 もし1枚だけ見たいなら?と言われたら、悩んだ挙句、カラヴァッジョの「聖 […]

「徘徊老人の夏」(種村季弘)

僕はエッセイというジャンルが好きじゃない。 他人が何かをしたり、何かを考えたり、ということに全く興味がないからだ。 それだったら、堂々とフィクションである小説や、自然科学系の本の方が興味をそそられる。 それでも中には、その文章が好きだから思わずエッセイを読んでしまう、という貴重な作家もいる。 種村季弘はそんな作家の1人で、内容は別にどってことないのだけど(失礼)、なぜかその語り口に引き込まれていっ […]

「日本のかたち」

芸術、いや文化とは何か、と問われたら、それは「かたち」であると答えたい。 さらに踏み込むならば、「かたち」の発見と伝承、そして「かたち」に精神を吹き込むこと、と言ってもいい。 かつて西洋の誰かが、美しい音色を響かせるために、ヴァイオリンという楽器を作った。 そしてその楽器を、より弾きやすくより響きやすくするためには、曲線のフォルムが良いということを発見し、それは500年経った今でも伝承されている。 […]

「アーティストの言葉~美の創造主たちの格言~」

日本で「アーティスト」というと、不思議なことに(特にポップ・ミュージックの)演奏家を指すことが多いけれど、この本で採り上げているのは、画家・彫刻家を中心とした、いわゆる「芸術家」「デザイナー」と呼ばれる人々。 ダ・ヴィンチから始まり、セザンヌ、北斎、マグリット、イサム・ノグチ・・・と、実に多彩。 85人の「名言」を収録している。 芸術家の言葉というのは、断片的にフレーズだけ拾ってみても、イマイチ意 […]

「シャガール-ロシア・アヴァンギャルドとの出会い 展」(@藝大美術館)

古びた道具で、心の底を、ぐいっ、ぐいっ、と掘り起こしてくる・・・。 それが僕のシャガールのイメージ。だから「怖くて見れない」って、数か月前に書いた気もする。 あらためて言葉にしてみれば、それはおそらく、「幼児期に誰もが経験したような原初的な恐怖体験を呼び起こす」ような感覚と言えるかもしれない。 今でも覚えてる。まだ4~5歳のころ、遠出して車で帰宅するのに、太陽がどこまでも追いかけてくるのに怯えて泣 […]

「ポスターを盗んでください」(原研哉)

原研哉氏の本は、ほんの少しでも、「クリエイティブに関わっている」と思う人だったら、絶対に読んでほしい。 僕が(生存している・失礼・・)人を褒めることはまずないのだけれども、それだけこの人の書いている本は抜群に面白い。 というか、作家になった方がよいのでは、と思うぐらい味わい深い文章を書く。 パリはまだまだ、食べきれないカマンベール・チーズなのである。 なんて、並大抵の人間に書けるフレーズじゃないと […]

「大作曲家たちの履歴書・下」(三枝成彰)

前回紹介した上巻に引き続き、こちらが下巻。 僕の性格の問題か、上・下本だと、上巻を読み終わると下巻を読むのがえらく面倒臭くなるものだが、 今回はそんなことはなかった。 面白さは失速することなく、下巻も読みごたえ十分。 下巻で採り上げられている作曲家は以下の通り。 ヴェルディ ブラームスト チャイコフスキー フォーレ プッチーニ マーラー ドビュッシー R・シュトラウス シェーンベルク ストラヴィン […]

「大作曲家たちの履歴書・上」(三枝成彰)

評論家が書く作曲家伝なんかは、 ちっとも面白くないが、作曲家が書く作曲家伝は 面白いということに気付かせてくれたのが、この本。 上巻ではバロックから後期ロマン派までの10人の作曲家を採り上げている。 バッハ モーツァルト ベートーヴェン シューベルト ベルリオーズ メンデルスゾーン ショパン シューマン リスト ワーグナー 意外にも、シューベルトやベルリオーズなどは、日本ではあまり逸話を耳にする機 […]

「小川未明童話集」(小川未明)

2009年の暮れは、この童話集をコートのポケットに忍ばせていた。 電車に乗って降りるまでの間に1話が読める。そしてどれもがあったかい。 宮沢賢治があれだけ評価されるのなら、小川未明はもっと評価されなければ、おかしいと思う。 いや、というよりも、(少なくとも)わが国では童話や民話に対する評価自体が、不当に低いのではないだろうか。 漱石や鴎外のようなカタクルシイ文学こそが高尚なのであって、人魚が出てき […]

映画「インセプション」

住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通い路 人目よくらむ 百人一首にも入っている藤原敏行朝臣の和歌。 現代人の発想では、ある人が夢に出てきたら、それは自分がその人のことを強く想っているせいだ、と考えるけれども、 古代人はその逆で、自分がある人のことを強く想うと、その人の夢の中に入っていってしまう、と考えていた。 それが「夢の通い路」である。 澁澤龍彦の小説だったか泉鏡花だったかの作品で、 相手の […]

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