古典

1/12ページ

「夢ノ代」(山片 蟠桃)

大坂の豪商だった山片蟠桃が、 1800年代の初頭から、 約20年かけて書き上げた大著。 いかにも商人らしい徹底した合理主義と、 江戸時代ど真ん中に、 ここまで先進的な見識を持った人がいたことに、 率直に驚かされる。 「天文第一」では、 地動説を紹介するだけではなく、 我々の太陽系は、 この宇宙にある無数の「太陽系」のひとつすぎない、 という論を、 既にこの時代において、 堂々と展開していることに、 […]

百人一首替へ歌(No.38)

第七十五番歌 【原歌】 契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり (藤原基俊) 【替へ歌】 また逢はむと契れる言葉を命にて あはれ今宵の月傾けり うーーむ、この原歌は、 説明するのもめんどくさい。 詳しくはググっていただければ終了なのだが、 敢えて意訳すると、 「あなたは私の息子を出世させてくれると約束したのに、 それも実現せずに、あぁ、今年の秋も過ぎてゆく…」 という、親(バカ)の […]

百人一首替へ歌(No.37)

ようやく4分の3まできたか…。 始めた当初は、 百首のパロディなんてあっという間、 と思っていたのだけれど、 意外としんどい。 というのも(言い訳だけれども)、 こうやって一首ずつじっくり取り組むと、 この百人一首というのは、 必ずしも「名歌」のアンソロジーではないのだな。 だからこそ、 なぜ定家がこれらの歌を選んだのか、 という、謎解きも諸説出てくるわけだけれども、 とにかく、百首は玉石混交で、 […]

百人一首替へ歌(No.36)

第七十一番歌 【原歌】 夕されば門田の稲葉おとづれて 蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く (大納言経信) 【替へ歌】 夕されば庭の草葉のささめきて 訪ふ人もなし蘆のまろ屋に こんな拙い替へ歌であっても、 実は何度も推敲を重ねていて、 この歌は今までで一番多く、 11回のボツを経てようやく形となった。 (それでも褒められたものではないかもしれないが) というのも、 原歌にはあまりに隙きがなさすぎる。 秋風が稲葉 […]

百人一首替へ歌(No.35)

第六十九番歌 【原歌】 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり (能因法師) 【替へ歌】 三室山風の行方を訪ぬれば 錦を纏ふ竜田川かな 業平による17番歌、 ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは を彷彿とさせる原歌であるが、 能因法師には、 もっと良い歌があるのだけれど、 なぜこれを定家は選んだのか、 理解に苦しむ。 紅葉を錦に見立てるのはもちろん、 「~は~だったよ […]

百人一首替へ歌(No.34)

第六十七番歌 【原歌】 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそをしけれ (周防内侍) 【替へ歌】 手枕のぬくもりばかりかひなくも 残るぞつらき春の夜の夢 原歌には、 ちょっとした物語風の背景があって、 作者(女性)が眠れないでいたところに、 プレイボーイが現れて、 「僕が手枕してあげるよ」 と言われたときの歌。 春の夜の夢のような手枕、 という前半はいかにも妖艶なのだけれど、 後半の、 […]

百人一首替へ歌(No.33)

第六十五番歌 【原歌】 恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ (相模) 【替へ歌】 恨むとも止まる涙はなきものを 恋の噂に我が身朽ちなむ 原歌を意訳すると、 「あの人のことを恨んで私の涙は止まらないのに、 その上、恋の噂が立ってしまうことが、 残念で仕方がない」 という感じなのだが、 失恋の恨みと自尊心の間での、 当時のインテリ女性の苦悩が、 よく伝わってくる。 ただ一首の中 […]

百人一首替へ歌(No.32)

第六十三番歌 【原歌】 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな (左京大夫道雅) 【替へ歌】 もう君をあきらめるよということさえも 伝えることができぬこの恋 まぁなんというか、 相変わらず女々しい、 男性歌人の恋の歌。 そういう意味では、 現代の草食化(?)している男子にも、 通じるものがありそうで、 ちょっとJ-POPの歌詞風にしてみた。 LINEもブロックされたんでしょうね […]

百人一首替へ歌(No.31)

第六十一番歌 【原歌】 いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな (伊勢大輔) 【替へ歌】 あの春の空を染めにし八重桜 けふここに立ち記憶に散り積む またもや、女流歌人シリーズ。 ただ、この歌は、 女流歌人特有の粘着感のようなものがなく、 稚拙なほどにさらりと詠まれており、 思わず口ずさみたくなる。 替へ歌については、 「けふ九重」を「けふここに」と、 同音で詠み替えるとともに、 原歌に […]

「史記8 列伝四」(司馬遷)

70編に及ぶ列伝をこれで読了した。 『史記』全体では、 70/130を読んだことになる。 この「列伝四」は、 「酷使列伝」「游俠列伝」「滑稽列伝」など、 最後に変わり種を持ってきたという感じだが、 それらひとつひとつが、 さらにオムニバス的な様相を呈しているので、 退屈しないというか、読み易い。 「酷使列伝」は、 冷酷な役人の所業を述べたものだが、 刑罰として、肢体を裂いたり、 ノコギリで項を切っ […]

1 12