声楽

「第36回 板橋第九演奏会」(@板橋区立文化会館大ホール)

  合唱はプロの方々ではないのだが、オケは一応新日フィルですし、 何よりも実は第九を生演奏で聴くのが初めてだったので、 足を運んでみた。 まずはこの曲についての僕の思いを。 最新の学説によると、この宇宙の誕生は、 量子的エネルギーの「揺らぎ」の中から、ポロっと生まれたとされているのだが、 第一楽章冒頭の、チェロと2ndヴァイオリンのトレモロが、 その「揺らぎ」のような神秘さと不安定さを表 […]

ハイドン オラトリオ「天地創造」

40手前ぐらいから、急に寒がりになって、 こないだの週末も、土日ともに長風呂を血行、いや決行。 1回で1時間以上は入るので、読書はもちろん、 普段ゆっくり聴けないような、長~い曲も入浴中は楽しめる。 最近では、バッハの無伴奏チェロソナタの全曲通しや、 ショパンのエチュード、リストの巡礼の年、chemical brothersにピアソラと、 相変わらず節操のない聴き方をしていたわけだけど、 今回は、 […]

フォーレ「レクイエム」

普段の生活では全くといっていいほど、音楽を聴かないのだけれど、 ふいに記憶の底から蘇ってきて、 しばらくの間、耳の奥というか頭の中で鳴り止まないときがある。 それは、2Pacだったり、Sean Paulだったり、伊賀越道中双六だったり、 ブラームスだったりするわけなんだけど、 この間は、フォーレの「レクイエム」がきた。 たぶんもう、20年ぐらいまともに聴いてないし、 そんな曲が、何がきっかけで急に […]

モンテヴェルディ「マニフィカト」

我々のミトコンドリアDNAの歴史を辿ると、 かつてアフリカにいた一人の女性(ミトコンドリア・イブ)に行き着くように、 現在のあらゆる西洋音楽の歴史を遡れば、 必ずJ.S.バッハに行き当たる。 バッハがいなければ、現在の西洋音楽はだいぶ変わっていただろう。 それぐらいバッハは偉大であり、まさに「音楽の父」とも呼べる存在だった。 小学校や中学校で習うバッハのイメージは、 ベートーヴェンやモーツァルトよ […]

ベルリオーズ「死者のための大ミサ曲(レクイエム)」

絵画でいえばゴッホ、音楽でいえばベルリオーズは、 変わり者を通り越して、もはや「変態芸術家」といってもいい。 一時期、ミサ曲とかレクイエムに凝っていたことがあって、 中でも、ベルリオーズのこの曲は印象深かった。 ティンパニ8組、というような大編成ではあるけれども、 比較的彼の「変態ぶり」は影をひそめていて、 これは美しい曲である。 youtubeでいろいろ聴いていたら、面白い演奏があった。 どうや […]

タン・ジュンボ バスリサイタル

@練馬文化センター小ホール チケットをいただいたので、聴きにいってきた。 一曲目を聴いた瞬間、おかしい、と思った。 あの、バス独特の、下から湧いてくるような響きが感じられないし、 ピアノに負けてる。 ホールの音響が悪いのか、 それとも歌い手のコンディションが悪いのか、と思っていたら、 案の定後者で、 どうやら二日前に風邪を引いて喉をおかしくした、とのこと。 曲目は決して一般向けとは言えないものばか […]

声明

邦楽の源流を遡ると、仏教音楽である声明(しょうみょう)に辿りつく。 百聞は一聴に如かず。 これは最澄が中国から持ち帰ったとされる「天台声明」だが、 不思議なのは、前半の独唱部分、 グリッサンドやビブラートを効かせたこの声が、 まるで弦楽器のように聞こえるということだ。 そして後半のユニゾンにて和する部分は、 雅楽の斉奏のように聞こえるではないか。 西洋音楽、たとえばグレゴリオ聖歌などを聴いても、 […]

「リュッケルト歌曲集」

相変わらず、気付いたらマーラーを聞いている。 「大地の歌」の最終楽章が好きなんだけれども、 30分も聞く時間がないから、 代わりになる似た曲を、、、と探していたら、 辿り着いた。 この歌曲集の中では一番有名な曲かもしれない。 マーラー独特のメランコリックというか頽廃性というか、 あの何とも重く、でも美しい特徴が色濃く出ていると思う。 フィッシャー・ディースカウ×カール・ベームの名演。 最後の歌詞と […]

訃報:フィッシャー=ディスカウ氏

5月18日、バリトン歌手のフィッシャー=ディスカウ氏が、 他界したというニュースを目にした。 (僕が聴いていた25年前ぐらいは「ディスカウ」だったのだが、 今では「ディースカウ」と表記するらしい。) 男性歌手は何と言ってもテノールが人気だけれども、 そんな中で「バリトン」の魅力を十分に伝えてくれる、 (すくなくとも僕にとっては)貴重な存在だった。 クラシック音楽から遠ざかって久しく、 こんな形で懐 […]