邦楽

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第二十七回 常磐津都㐂蔵研究会

昨年(第二十六回)の十段目で、 常磐津版の『仮名手本忠臣蔵』は終わりとのことだったので、 忠臣蔵の最後を締め括る今年は何を演奏するのかと思っていたのだが、 『忠臣二度目清書:寺岡切腹の段』 という、「忠臣蔵外伝」にあたる曲だった。 これは常磐津都㐂蔵氏の家のみに伝承されており、 他にはない貴重な作品だとのことである。 義太夫では演じられることがほとんどないが、 十一段目のいわゆる「討入の段」の代わ […]

「第26回 常磐津都㐂蔵研究会」(@紀尾井小ホール)

  常磐津都㐂蔵さんによる「常磐津古正本による 假名手本忠臣蔵」。 いよいよ十段目となった。 この「天河屋の段」は、(歌舞伎は知らないが)人形浄瑠璃では滅多に上演されないため、 「仮名手本忠臣蔵」の中では蛇足的な扱いをされることが多い。 だが待ってほしい。 ここからは、僕の持論。 「忠臣蔵」と聞くと、「赤穂浪士による討入」を思い浮かべる人も多いかもしれないが、 もともとの「仮名手本忠臣蔵 […]

第25回 常磐津都喜蔵研究会(@紀尾井小ホール)

常磐津都㐂蔵さんが僕の父親の三味線の師匠だった縁もあり、 ほぼ初めて、常磐津をLiveでじっくりと鑑賞する機会となった。 演目は「仮名手本忠臣蔵」の九段目、いわゆる「雪転し」の段である。 自分がいま義太夫で稽古しているのが三段目の「刃傷の段」で、 そこで陰でちょこちょこと出てくる加古川本蔵が、 この九段目では主役となる。 主君への忠義と親子の愛情という、 浄瑠璃のお決まりといえばお決まりのパターン […]

「妹背山婦女庭訓」

国立劇場のあと、 竹本越京先生の「京の会」で「妹背山婦女庭訓」(金殿の段)を聴いた。 素浄瑠璃で聴くのは初めてだったのだけれど、 人物の動きが目の前に浮かぶようだというのは、このことだろう。 浄瑠璃の真髄といおうか、魅力をあらめて実感し、 劇的なストーリーとも相俟って、心底から感動した。 こんな方に毎週稽古していただいているのが、勿体ないやら、 上達しない自分が情けないやら。 場所は、住宅地にポツ […]

「邦楽名曲鑑賞会 道行四景」(@国立劇場小劇場)

日本という狭い国土の中で農耕民族であるということは、 これはもう、土地への束縛以外での何物でもなかった。 庶民も貴族も、「生活」することとは「定住」することであり、 生活する土地を離れるということは、異世界へと入っていくことと同義だった。 だから、「貴種流離」のようなキーワードを持ち出すまでもなく、 諸国転戦の日本武尊や義経が早くからヒーローたり得たわけだし、 「伊勢物語」や「源氏物語 明石巻」が […]

新内流し(@深川江戸資料館)

義太夫の稽古が終わって、猛暑の中、深川江戸資料館へ急行。 「蘭蝶」とか「明烏」は好きな曲なのに、 恥ずかしながら新内をLiveで聴くのはこれが初めてで、 また、新内の演奏はそんなに頻繁に行われるわけでもないため、 資料館の入場料だけで聴けたのは、非常にラッキーだった。 解説を交えながら、三回に分けて「日高川」の触り部分を演奏。 新内節独特の、あの高音が冴える語りと、上調子三味線が、 作品の内容とと […]

第67期義太夫教室

遂に、義太夫協会による、第67期義太夫教室が開講した。 夏までは入門コース、その後来年までが実践コース。 新内、宮薗など触れてみたいジャンルはあるが、 まずは一年間、義太夫節をみっちりやろうと思う。 自分はもちろん、三味線を弾きたいわけなのだけれど、 語りを知らなければ三味線は弾けません、ということで、 夏までは三味線の授業はなし。 毎週土曜日、一時間目が講義で二時間目が語りの実技。 語りは、「一 […]

「雨蕭蕭」(永井 荷風)

  10代の頃から、何度となく読んでいるこの作品を、 また読もうと思った理由は、 この小説とも随筆ともいえる作品の中での設定として、 主人公が三味線を、しかも宮薗節を弾く、というところに 魅かれたからだ。 宮薗節は、浄瑠璃ファミリーの中でも、レアな部類に属するもので、 そもそも数曲しか現存していない。 しかしその内容の濃密さというか、艶めかしさという点では、 新内節とともに、浄瑠璃内で一 […]

「新内の情景」(富士松 松栄太夫)

  浄瑠璃を楽しむには、江戸時代の文化・風俗はもちろん、 地理や歴史の知識があった方が、断然有利だ。 特に新内節は宮薗節などと同様、素浄瑠璃、 つまり視覚ではなく、耳だけを頼りに鑑賞するものであるから、 ある程度のコンテクストの理解は必須となる。 第一章の「隅田川と新内節」では、深川を中心とした風俗を語りつつ、 『明烏』や『蘭蝶』の舞台を辿る。 第二章の「幻の新内流し」では、 今となって […]

三味線の調律についてのメモ

先日、義太夫を聴きにいった際、相撲甚句の披露中に、 裏の楽屋から微かに三味線の音が聞こえてきた。 普段ならそのようなことはないのだが、小さな会場だったので、幸いにも?聞こえてきたのだろう。 甚句はそっちのけで、三味線の方に集中していると、音合わせの音を拾えた。 レ-ラ-レ(D-A-D) で調弦している。 僕が普段弾いている津軽は、本調子ならば、ド-ファ-ド(C-F-C)の調弦で、 これは「四本調子 […]