音楽関連

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「創られた『日本の心』神話 『演歌』をめぐる戦後大衆音楽史」(輪島 裕介)

「演歌」といえば、 着物の姿の歌手がこぶしを利かせ、 二六抜きやヨナ抜き短音階で、 哀愁を帯びた歌詞の曲を唄う、 というイメージが、 誰にでもあると思う。 そしてそんな「演歌」を、 「日本人の心」、 さらには「日本の伝統音楽」、 として捉えている人も、 少なからずいると思われるが、 果たしてそれは正しいのか。 そして、 「演歌=日本人の心」 の図式が出来上がったのは、 いつ頃、何がきっかけだったの […]

「『無伴奏チェロ組曲』を求めて:バッハ、カザルス、そして現代」(エリック・シブリン)

6楽章×6曲、 偉大なる楽曲の構成に倣った36章で、 バッハ、そしてこの曲をまさに「蘇らせた」、 巨匠・カザルスの伝記、 そして現代を生きる著者によるバッハ体験、 を綴った本。 著者はもともと、 ロックやポピュラー音楽のライターらしく、 ある日、 組曲一番の前奏曲をライヴで聴いたことで、 バッハの音楽にのめり込んだのだという。 チェロを習い始め、 カンタータの合唱を学ぶ合宿に参加するなど、 著者の […]

「和洋折衷音楽史」(奥中 康人)

「『日本音楽』対『西洋音楽』というような、 わかりやすい二項対立の図式に陥ることなく、 伝統を継承しつつ新しいものも採り入れ、 うまく両者が習合している音楽文化」 についてのエッセイ集。 たとえば、 江戸末期から明治にかけて、 我が国がようやく西洋に門戸を開くと、 西洋音楽やそれを演奏する楽器が、 どっと日本に入ってくることになる。 そうなると、 それまで日本に根付いていた、 三味線や琴の音楽に、 […]

「ライプツィヒへの旅:バッハ=フーガの探究」(ミッシェル・モラール)

バッハの『平均律第1・2巻』のうち、 特に優れたフーガのみを取り上げ、 物語形式でアナリーゼをする、 という内容。 物語形式といっても、 純粋な意味での物語ではなく、 詩人と数学者の二人が、 形式や構成について学びながら、 これらの曲の素晴らしさを紹介する、 といったものだ。 詩人と数学者、 というのがポイントで、 これはつまり、 バッハのフーガにおける、 豊かな詩情と緻密な計算の存在を、 暗示し […]

映画「オーケストラ!」

2009年のフランス映画。 昔ながらのヨーロッパ喜劇、 といった感じで、 深さには欠けるけれども、 素直に楽しめる。 主人公のアンドレイは、 30年前に政治的な理由により、 「ボリショイ管弦楽団」の指揮者をクビになり、 今は劇場の清掃員となっていた。 ある日、支配人の部屋に届いた、 パリでのコンサート招聘のFAXを盗み見て、 大博打に出ることを思い付く。 それは、昔の仲間を集めて、 「ボリショイ管 […]

「新版ソアレスのピアノ講座 バッハ演奏ハンドブック」(クラウディオ・ソアレス)

「ハンドブック」というと、 常にピアノの横に置いて、 練習しながら参照する、 というイメージがあるが、 この本はそれよりも、 「ミニ解説書」というイメージに近い。 前半は、バッハの時代の、 楽曲や演奏法の特徴を、 後半は、バッハの鍵盤曲、 具体的には、 『インヴェンションとシンフォニア』 『平均律クラヴィーア曲集』 『舞曲集・その他』 について、 曲の解釈と演奏法のヒントを、 それぞれ述べている。 […]

映画「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」

2015年イタリアのドキュメンタリー映画。 毎年12月7日に始まる、 スカラ座のシーズン。 その初日に向けた準備の様子を辿りつつ、 アバド、ムーティ、バレンボイム、シャイーといった、 歴代の音楽監督のインタビューや映像、 かつて活躍した歌手たちや、 舞台裏を支える関係者の話を交えながら、 イタリアオペラの総本山ともいえる、 ミラノ・スカラ座の歴史と伝統、 そこに関わる人々のドラマ、 そしてその「重 […]

「フーガ」(マルセル・ビッチ/ジャン・ボンフィス)

新書という量的な制限がある中で、 これだけ明快に、かつ深く、 フーガに迫った書は、貴重。 そもそも対位法とは? の説明から入り、 バッハ以前のフーガ、 そしてバッハのフーガの詳細、 バッハ以後のフーガの紹介を経て、 フーガとは何か、で締め括るという、 シンプルな構成ながら、 譜例も豊富で説明も分かりやすく、 フーガ入門書としては、 申し分ないだろう。 特に印象的だったのは、 孤高の音楽学者として、 […]

「フーガ書法:パリ音楽院の方式による」(山口 博史)

人類が生み出した音楽形式の中で、 最も美しく、かつ精緻であるものは、 フーガではないだろうか。 日々そのように思いつつ、 また、毎日フーガを弾きながら、 でも自分はフーガの「精緻」な部分、 つまりその構成理論を知らないことを引け目に感じ、 ここはひとつフーガを勉強しようじゃないかと、 数少ない日本語の書籍のひとつである本書を、 取り寄せてみた。 結論としては、よく分からないw 内容があまりにも、 […]

「バッハと対位法の美学」(松原 薫)

バッハは言うまでもなく、 「対位法の大家」と見做されているが、 主に18世紀から19世紀初頭にかけて、 対位法観はどのように変化したのか、 そしてその中で「バッハ作曲技法の正典化」が、 どのようにして生じたのか、 について論じた本。 どちらかといえば学術論文っぽく、 けっして気軽に読める本ではないので、 要注意かも。 18世紀の批評家・音楽家6人(ハイニヒェン、マッテゾン、マールプルク、キルンベル […]

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