生物・進化

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「動物たちのすごいワザを物理で解く」(マティン・ドラーニ/リズ・カローガー)

  装幀はポップなのだけど、中身はしっかりした本。 コウモリが音波を使うこととか、ハチの巣の六角形の理論とか、 動物たちが物理を用いていることを、我々は知ってはいるけれども、 でもまだまだ世の中には、 我々の想像を超えているような動物たちがたくさんいる。 敢えてメスのフリをしてオスに抱かれることで熱を奪うヘビや、 ボクサー顔負けの強烈なパンチを打ち込めるシャコ、 水上を歩くアメンボのメカ […]

「核DNA解析でたどる 日本人の源流」(斎藤 成也)

  縄文人、そして弥生人はどこから来たのか、というのは、 日本人のアイデンティティに関わる問題でもあり、 言語や文化、身体的特徴など、 あらゆる角度から様々な検討が行われてきた歴史があるわけだが、 いよいよ「核DNA解析」という、決定打とでもいうべき手法によって、 日本人の源流を追究した結果が、本書の内容である。 そもそもいかなる科学的手法であっても、 それが正しいかどうかは100%信じ […]

「したたかな寄生」(成田 聡子)

  寄生生物の研究というのは、 おそらく「普通の」生物よりも遅れているはずで、 たぶんこれから、どんどん新しい研究結果が 発表されることだろう。 だから今のところは、 新書ではあるが、このぐらいの本を読んでおけば、 寄生生物についての大部分は理解できるのだと思う。 個人的に興味があるのは、 例えばカッコウの「托卵戦略」は、だいぶ見破られるようになって、 もはや完璧な寄生術とはいえなくなっ […]

「心を操る寄生生物」(キャスリン・マコーリフ)

  寄生という生き方は、 生物にとって最高の戦略ではなかろうか。 ウィルスや昆虫に限らず、人間でも同様で、 ニートにせよヒモにせよ、 生きるためのコストを最小限にできるというのは、 この上ない贅沢である。 寄生生物の話であれば今更珍しくもないが、 この本で紹介しているのは、 寄生生物が、己のホスト(宿主)の行動や思考を、 自分に都合の良いようにコントロールする、という話だ。 分かりやすい […]

コズミック フロント☆NEXT「初公開!恐竜絶滅 詳細なシナリオ」(NHKオンデマンド)

  まずことわっておくと、 我が家には、もう10年近くもテレビがない。 だからどこぞの放送局の下請会社が料金を徴収しにきても、 テレビは嫌いだし、持ってないし、見たくもないし、ケータイでも見れないし、 ということを、証拠付きで説明することで、撃退しているお引き取りいただいている。 ただ、1~2年前に、 「あなたの家にはテレビがないことを確認できましたので、 もう徴収にこないように登録して […]

「生物圏の形而上学」(長沼 毅)

  生命、生物、そして進化についての10の論文・エッセイをまとめた本で、 「宇宙・ヒト・微生物」という副題が付いている。 ひとつひとつの章はとても興味深いのだが、 残念なことにそれぞれが完全に独立してしまっているため、 深い内容へ辿り着く前に終わってしまう。 例えば第一章「生物圏からメタ生物圏へ」は、 そのタイトルどおり、宇宙時代に入った現代において、 生物圏をどのようなものとして捉える […]

「人体 5億年の記憶 解剖学者・三木成夫の世界」(布施 英利)

  三木成夫の素晴らしさは、こちらでも書いたが、 本書は、三木の教え子でもある著者が、 師の著作や言葉を引用・解説しながら、 その魅力について余すところなく綴ったものである。 「人間は星だ!」 冒頭、藝大での三木の講義の思い出を語る部分で、 著者が驚かされたという三木の言葉。 この言葉が何を意味するかは、最後まで読めば自ずと分かる。 それは、人間は星屑から出来ている、などという陳腐なもの […]

「すごい進化」(鈴木 紀之)

  まさに副題にあるとおり、 進化における「一見すると不合理」な事象について、 「制約」ではなく「適応」の立場から、論じた本である。 著者の専門がテントウムシのようで、 例が昆虫に偏っていたのは少し物足りなかったけれど、 それを補って余りあるほどの、 斬新な考え方が詰まっていて、興味深く読むことができた。 明らかに成長に有効とは思えないエサのみを食べるテントウムシ、 スズメバチに似せよう […]

「胎児の世界」(三木 成夫)

  思えば中学時代に、夢野久作の「ドグラ・マグラ」のあとがきに、 この小説は三木成夫の「胎児の世界」を先取りしている、的な説明を目にして以来、 随分と長い間、この名著の存在を気にはしていたのだけれど、 まさか新書になっているとも知らず、 そして何となく優先順位が下がり、読まずにきてしまった。 そして、もっと早く読めばよかったことを後悔している! 「個体発生は系統発生の反復である」というヘ […]

「オスとメスはどちらが得か?」(稲垣 栄洋)

  生物学・進化学における、オスとメスのあれこれについて、易しく説明した本。 紹介されていたトピックスの中から、印象深かったものを、ひとつ。 カタツムリは、男性器も女性器も併せもつ、 いわゆる「雌雄同体」なのだが、なぜそうなのかというと、 カタツムリは動きが鈍く、行動範囲が限られているため、 他の個体と出会うチャンスがほとんどない。 その上、性が決まっていると、さらに生殖の確率が減ってし […]

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