生物・進化

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「すごい進化」(鈴木 紀之)

  まさに副題にあるとおり、 進化における「一見すると不合理」な事象について、 「制約」ではなく「適応」の立場から、論じた本である。 著者の専門がテントウムシのようで、 例が昆虫に偏っていたのは少し物足りなかったけれど、 それを補って余りあるほどの、 斬新な考え方が詰まっていて、興味深く読むことができた。 明らかに成長に有効とは思えないエサのみを食べるテントウムシ、 スズメバチに似せよう […]

「胎児の世界」(三木 成夫)

  思えば中学時代に、夢野久作の「ドグラ・マグラ」のあとがきに、 この小説は三木成夫の「胎児の世界」を先取りしている、的な説明を目にして以来、 随分と長い間、この名著の存在を気にはしていたのだけれど、 まさか新書になっているとも知らず、 そして何となく優先順位が下がり、読まずにきてしまった。 そして、もっと早く読めばよかったことを後悔している! 「個体発生は系統発生の反復である」というヘ […]

「オスとメスはどちらが得か?」(稲垣 栄洋)

  生物学・進化学における、オスとメスのあれこれについて、易しく説明した本。 紹介されていたトピックスの中から、印象深かったものを、ひとつ。 カタツムリは、男性器も女性器も併せもつ、 いわゆる「雌雄同体」なのだが、なぜそうなのかというと、 カタツムリは動きが鈍く、行動範囲が限られているため、 他の個体と出会うチャンスがほとんどない。 その上、性が決まっていると、さらに生殖の確率が減ってし […]

「毒々生物の奇妙な進化」(クリスティー・ウィルコックス)

  そもそも、毒を持つ生物が現れたということ自体が、驚きだ。 毒を攻撃や防御に用いるようになったことは、 寄生という戦略と同じぐらい、 進化というストーリーの中での魅力ある要素である。 我々ヒトでいえば、ヒモやニートというのは寄生の一種だろうが、 さすがに毒は持っていない。 「毒舌」というのがあるにはあるが、 この本で紹介される「本物の」毒に比べれば、 それも陳腐な比喩としか思えなくなる […]

「ゾウの時間 ネズミの時間-サイズの生物学」(本川 達雄)

  サイズの異なる動物同士は、 何が同じで、何が異なっているのか。 「サイズ」という視点から、 生物学の魅力を語った名著。 いやー、とにかく面白い! 観測結果と、高1レベルの簡単な数式とで、 ここまで深い考察に達することができるのかという驚きとともに、 シンプルな理論ほど正解に近いのだという、 科学の基本法則をあらためて認識できた。 大部分は脊椎動物について書かれているのだが、 昆虫につ […]

「生物はなぜ誕生したのか」(ピーター・ウォード/ジュゼフ・カーシュヴィング)

  『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』をはじめとして、 この分野ではおなじみのピーター・ウォードと、 「スノーボールアース」説で一躍有名になったジョゼフ・カーシュヴィングの、豪華タッグによる共著である。 鳥と全球凍結、この2つに共通するキーワードは、 酸素濃度、だ。 他の星の生物はさておき、 現在の地球の生物にとって酸素はなくてはならない存在であり、 であるならば、過去の生物の絶滅や進化の原 […]

「宇宙からみた生命史」(小林 憲正)

  太陽系における、生命が存在可能な範囲を、ハビタブルゾーンというが、 同じように、銀河系における、生命が存在し得る太陽系が位置する範囲を、 「銀河ハビタブルゾーン」(GHZ)と呼ぶということは、 この本で初めて知った。 生命の歴史と、生命とは何かについての考察を、 地球という閉じた系以外でも行うというのは、 最近では特に増えてきた類の本ではあるけれども 新書の限られたページ数で、 ここ […]

「ヒトはどこまで進化するのか」(エドワード・O・ウィルソン)

  ひとつひとつのトピックスは面白いのだけれど、 一冊の本として全体を眺めたとき、 果たして何を伝えたかったのかが、正直よく分からない。 普通に読めば、 「人文科学」と「自然科学」の統一、ということなのだろうが、 それにしては論旨が弱いし、 まぁ、カタいことを言わずに、気軽な科学エッセイとして読めば、 それなりには楽しめるといったところか。 たぶん、語ろうとしていることは重いのだけれど、 […]

「ダークマターと恐竜絶滅」(リサ・ランドール)

  美人さんであることでも有名な著者による、 最新の宇宙論。 第1部で宇宙全体について俯瞰し、 第2部で太陽系について語られる。 ここまででも、最新の宇宙論が満載で、 第1部と2部だけでも読む価値が十分にあるだろう。 最後の第3部がダークマターについてで、 彼女の説の骨子を説明すると、以下のようになる。 過去の生物たちの絶滅や、地球上のクレーターの成立年代を調べると、 地球が周期的な「爆 […]

「ウィルスは生きている」(中屋敷 均)

  僕らは♪ みんな~♪生きている~♪ 生き~ているから♪○○んだ♪ おそらく誰もが知っている、 「手のひらを太陽に」という唄だけれども、 「○○んだ♪」というフレーズに入る歌詞は、 「歌うんだ」「悲しいんだ」(1番) 「笑うんだ」「うれしいんだ」(2番) 「おどるんだ」「愛するんだ」(3番) となっている。 この唄においては、 「○○すること」が「生きていること」の必要条件だとしている […]

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