浮世絵

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「北斎とジャポニズム」(@国立西洋美術館)

単刀直入に感想を述べるならば、「残念すぎる展覧会」。 北斎を始めとする江戸芸術が、 西洋美術に与えた影響を具体的に検証することは、 価値あることには違いない。 しかしどんなに有意義なことでも、 やりすぎるとマイナス面ばかりが目立つ結果となる。 この企画展が、まさにそれ。 説明するまでもなく、北斎は多作な画家で、 極論をいえば、彼が描かないものはなかったと言ってもいい。 人の姿勢や表情から、あらゆる […]

「初期浮世絵展ー版の力・筆の力ー」(千葉市美術館)

評判の良い美術展だということは知っていたのだけれど、 なにせ千葉は遠い・・・。 東京の隣の県とはいっても、横浜や大宮に行くのとはわけが違う。 でも後悔はしたくなかったので、電車に揺られること1時間半。 千葉駅で降りてみたが、 日曜の午後だというのに、なぜこんなに人がいないんだ!というぐらい閑散としている。 都心ではまず席を確保できないスタバも余裕で座れたし、 しかも隣のカップルが、「今日のスタバ、 […]

「シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵」(@上野の森美術館)

同じく人物や風俗を描いた浮世絵であっても、 肉筆と版画では、受ける印象はまるで違う。 肉筆ならではの緻密さや、色彩の美しさを十分堪能できた。 蹄斎北馬「桜の墨堤図」。 北馬の作品は今まで何度となく見てきたものの、正直それほど印象的ではなかったのだが、 今回はその構図の妙と「白」の鮮やかさのインパクトが大きかった。 春の霞がかったような遠景に対し、手前の人物に色を集中させるというコントラストの付け方 […]

「十八世紀の江戸絵画」(@板橋区立美術館)

板橋区立美術館のある、赤塚城址付近は梅の名所で、 この日もすでに八分ぐらい、 だいたい花というと桜、というのが日本的であるかのように勘違いされているけれど、 僕は断然、梅派。 桜のような「うるささ」がなく、小さい花をしっとりと上品に付けている姿は、 何ともいじらしい。 そこまで書くなら写真の一枚ぐらい載せればという話だが、 何とスマホを忘れるという失態で、 しかもこの後に観た展覧会が撮影自由だった […]

「大浮世絵展」(@江戸東京博物館)

三連休の初日ということもあり、予想以上の混雑。 初詣みたいなもので、特に絵が好きではなくても、 日本人ならなんとなく、正月には浮世絵を観なくては、という気持ちがあるのかもしれない。 というか、そのような心理を狙った企画展なのだろう。 確かに、浮世絵だけでこれだけの点数を集めたことには、価値がある。 当然江戸時代には、浮世絵師以外にも、若冲や蕪村、狩野派などのすぐれた絵師はいたわけだが、 観る側から […]

「江戸絵画の不都合な真実」(狩野 博幸)

  江戸時代の絵描きたちの、知られざる一面を、 闇に葬られてしまった史実をもとに論じた本。 登場するのは、 岩佐又兵衛、英一蝶、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、岸駒、葛飾北斎、東洲斎写楽。 江戸絵画に詳しい人であれば、 これが相当「クセ者揃い」のラインナップであることは分かるはずだ。 僕も聞いたことのないような、江戸の随筆を典拠にして、 美術館の解説や、美術史の本では考えられないような角度 […]

「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の軌跡」(@江戸東京博物館)

絵画の多様性というものを、極めて単純化して考えれば、 それは、「何を描くか」「どのように描くか」ということに行き当たる。 江戸時代は、長いと言われるけれども、たかが250年間。 音楽や絵画といった、保守的な芸術にとっては決して長い時間ではなく、 さきほど挙げた2つのベクトルのうち、「何を描くか」については、 250年の間に際立った変化は見られない。 しかしながら、2つめのベクトルについては、 まさ […]

「大絵金展 極彩の闇」(@高知県立美術館)

高知まで足を運んだ甲斐があったというものだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 絵金の存在自体は知っていた。 しかしながら、これは東西における文化的競争意識なのだろうか、 東京で生活をしていると、絵金の作品に触れる機会は、ほとんどない。 だから僕はしばらくその存在を忘れていた。 今回、高知へ行った際、たまたま美術館の横を車で通りすぎたとき、 「大絵金展」の看板が目に入った。 もしもこの看板が目 […]

「耽美 うき世絵ばなし」(神保 朋世)

古本屋で見つけた40年以上前の本なので、画像が、ない。 わざわざ写真をとってアップするのも面倒なのでそうしないが、妖艶というか頽廃というか、形容しがたいセンスによる、現代ではまったく見られない類の表紙のデザイン、とだけ書いておこう。 春画を題材に、江戸の浮世絵師たちの生き方、当時の生活風俗を描く、現代浮世絵師の著作である。 時に解説風、時に小説風。 筆は主観と客観の間を自由闊達に動きまわり、気づけ […]

「ボストン美術館展 日本美術の至宝」(@東京国立博物館)

日本美術の価値というものについて、いろいろと考えさせられた展覧会ではあったが、 ネガディブなことは敢えて言うまい。 個人的な収穫は以下の通り。 ・普賢延命菩薩像 ・地蔵菩薩像(円慶) ・十六羅漢図(伊藤若冲) そして、 ・曾我蕭白のもろもろの屏風図 今更だが、若冲と蕭白という二人の天才がいなければ、江戸の、いや日本の美術の魅力は大きく削がれることになるだろう。 若冲は「巧すぎる」嫌いがあるのだが、 […]