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「俵屋宗達 琳派の祖の真実」(古田 亮)

いわゆる「琳派」という括り方がキライな自分にとって、宗達を「琳派の祖」と位置付けることは、常々納得できない、と思っていた。 それはテーマとか技法といったレベルの問題ではなく、「作品として向いているベクトルが違う」という感覚レベルの問題で、だからこそ一方で、それを明確に言葉にできないでいることがもどかしくもあった。 しかしこの本は、宗達とは何か、魅力はどこにあるのか、いわゆる琳派とは何が違うのか・・ […]

「振仮名の歴史」(今野真二)

日本語には、かな(ひらがな・カタカナ)と漢字があるから難しいとよく言われるが、それだけじゃない、振仮名という厄介なものまである。 ならいっそのこと、漢字を廃止すれば振仮名だって必要なくなるじゃないか、と思われるかもしれないが、そうはならないだろう。例えばひらがなだけの文の右側に、「漢字による振仮名」みたいなのが出現するだろうことは、容易に想像できる。 漢字というのは、表意文字であり、一種の絵文字で […]

「江戸のセンス」(荒井修・いとうせいこう)

最近ではとりあえず、タイトルに「江戸の~」と付いていれば、そこそこは売れるようだ。 荒井修氏は扇子職人であり、タイトルの「センス」と「扇子」を掛けているらしいのだが・・・。 扇子職人というような、ニッチなジャンルの人が語ると、すべてもっともらしく聞こえるから、ある意味ズルい。 冷静に読んでみると、「本当にそうか?」とツッコミたくなる箇所も、実は多々ある。 そもそも、扇子のデザインというものが、江戸 […]

「江戸の妖怪事件簿」(田中聡)

幽霊や妖怪が、まだ人間と共存していた頃の話。 『藤岡屋日記』によれば、19世紀の江戸で、「幽霊星」なるものが流行ったという。 うっかり夜空を見上げてその星を見てしまおうものなら、命を落としてしまうという何とも恐ろしい星なのだが、 さらに奇妙なことには、その星が位牌の形をしていたという。 天上致して星となり、人の形より位牌の形ニなり幽霊星と申候 位牌の形の星というのは想像もつかないけれども、今でもた […]

「まだ科学で解けない13の謎」(マイケル・ブルックス)

僕を含めた、科学が専門でない人間にとっては、 「選ばれた事象しか知らされない」というジレンマがある。 すなわち、幾多の実験・学説の中から、「まぁこれが、正解だろう」と言われるものだけが、”真実第一候補”として提示されるわけだ。 しかし、その”真実第一候補”の陰で切り捨てられていった、その他大勢の観測結果や学説の中にも、”第二候補”とまではいかないまでも、かなり興味深いモノが潜んでいることが多い。 […]

「オルセー美術館展」(@国立新美術館)

僕には、セザンヌの良さが理解できない、というコンプレックスがあった。 テーマが興味深いわけでもない、色彩に魅力があるわけでもない。 しかしながら、セザンヌ以降の画家たちは、皆口を揃えて、「学ぶべきはセザンヌだ」と言っているのが、 自分にはどうももどかしかった。 そんなセザンヌの良さはどこにあるのだろうかということを発見するために、オルセー美術館展へ。 セザンヌ自身の作品は数点しかないが、他の同時代 […]

「ボストン美術館展」(@森美術館)

観に行ってから、だいぶ時間が経ってしまった。絵とか映画とか、観たものはすぐに書かないと感動が薄まる。 感動を記録するためにこのサイトを始めたのに、これでは意味がない。 美術展のパターンには大きく分けて2つあって、美術館で括るか、作家で括るか。 今回の「ボストン美術館展」は当然前者にあたるわけだけれども、 レンブラントから、マティス、ブラックまで、あらゆる流派のあらゆる個性が次々に目に飛び込んでくる […]

改装後の初・根津美術館

そういえば改装してからの根津美術館に行っていないことに気付き、 ちょうど「燕子花図屏風」を公開しているということなので、足を運んでみた。 琳派については常々語っているのだけれども、これはデザインだと思って対面するのがいい。 屏風一面に描かれた燕子花と対面して、そこに深い意味をさぐろうとするのは自由だけれども、 やはり肩の力を抜いて、パターンの生み出す気持ちよさに浸るのが、個人的には合っている。 そ […]

彫刻とは削る芸術であることの再認識

普段絵画にばかり慣れていると、如何に色や造形を「プラス」しているかに目が行きがちだが、彫刻というのは、(当たり前だが)「削る」、すなわちマイナスする芸術である。 ジャコメッティ関連の本は、日本では手に入るものが限られていて、今回「アルベルト・ジャコメッティ~本質を見つめる芸術家~」というDVDを購入した。 「本質を見つめる芸術家」という邦題はどうかと思う。そもそも、本質を見つめない芸術家などという […]

映画「アリス・イン・ワンダーランド」

「意外とつまらなかった」という世間の声が多かったけど、僕の感想は、逆。 そもそも、「ティム・バートン×ジョニー・デップ」ということで期待値が極端に低かったせいもあるだろうけど、 なかなか楽しめる映画だと思う。 そこで感じたのはやはり、ディズニー映画のレベルの高さ。 これまで数多の駄作を生み出してきた監督と役者の組み合わせであっても最低限のクオリティを確保できたのは、 「ディズニーという枠」があって […]

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